19日にスタートが切られた今年のニュルブルクリンク24時間レース。レースは大雨による長い赤旗中断に見舞われたが、多忙を極めるスケジュールとなっているドライバーたちには、ある意味幸運かもしれない。

 ドイツでは聖霊降臨という名のキリスト教の連休にあたり、19日(日)〜20日(月)というスケジュールで行われているニュル24時間。177台ものスタート台数を誇り、プロ、アマを交えた約700人のレーシングドライバーが参戦しているが、このレースでBMWやアウディと契約しているプロドライバーの数名は多忙なスケジュールとなっている。

 そのドライバーたちは、18~19日にイギリスのブランズハッチで開催されたDTMドイツツーリングカー選手権の参戦ドライバーたち。アウディのワークスドライバーで、ブランズハッチで優勝したマイク・ロッケンフェラー、BMWのマルティン・トムジク、アウグスト・ファルファスは、DTMの主催者であるITRが用意したチャーター機で、レース後にニュルブルクリンクの飛行場へ移動してそのままレースに参戦している。

 さらに、オーストラリアのザルツブルクリンクで開催されたWTCC世界ツーリングカー選手権に、オールインクル・ミュニッヒから参戦したマルク・バッセングは、ニュルでの金曜プラクティスと予選1回目に参加し、そのまま自走で700km以上もあるオーストリアのザルツブルグリンクに移動。日曜日のWTCCのレース後には飛行機でニュルに再び向かってきた。

「短期間の長距離移動とふたつのレースの掛け持ちはちっとも苦にならないよ。それよりも両方のレースに参戦できる喜びの方が勝っているからね」とウィンクで語ってくれたバッセング。昨年はフェニックスレーシングのアウディR8 LMSウルトラで総合優勝を飾っているだけに、今季も連覇を狙うと意気込んでいる。

 年々ドイツメーカーのワークス合戦となり、トップドライバーらの競演でますます盛り上がるニュル24時間。波乱のレースの結果はどうなるだろうか?

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