「今回は濃霧のコンディションで天候との戦いも加味されたが、全体的には成功裏に終えることができた。マシンは初モノとしては本当に信頼性が高く、常時フルパワーで走れていた。ドライバー全員が新しい技術にトライする様を見るのは、本当にエキサイティングだ。我々はまさに、臨んでいたとおりのことを達成したと言えるね」とテスト成功の喜びを語ったのは、シリーズのレースディレクターであるスコット・エルキンス。

「テストでは2種類のレイアウトを採用し、ロングコースはよりワイドな幅でオープンロードを模したものとした。実際のイベントではマーカーでコースレイアウトを作成するので、レースの形態に則した形だね」と説明するエルキンス。

「もう一方は一般的なトラックレイアウトで、マシンの素性把握やハンドリング評価に焦点を当てた。ともに来季のイベントに向け、あらゆる環境を想定したテストの良い機会が提供できたと思う」

 一方、アクシオナ|サインツXEチームとしてシリーズ参戦を表明したカルロス・サインツとライア・サンズの元には、サインツ家の“エル・マタドール2世”としてマクラーレンF1から移籍し、フェラーリ加入がアナウンスされているサインツJr.が合流。ゲストとして父のエレクトリックSUVを初体験した。

「父は兼ねてからこのカテゴリーに興味を持っていたし、エクストリームEに参戦すると決めてからのこの3~4カ月は本当に忙しそうだった」と、プロジェクトの準備を進めていた父の様子を語るサインツJr.。

「これはまったく新しい挑戦であり、チームは可能な限り競争力のある状態で開幕に挑むため、非常に懸命に取り組んでいることがわかった。シリーズが掲げる気候へのメッセージは、ショーと優れたレースを生み出しながら人々に世界で何が起こっているのかをより意識させる可能性があり、とても重要だと感じている」

 このテスト終了後、マシンは最終調整のためチームのワークショップに戻り、システムチェックや各部確認ののちにシリーズの“フローティング・パドック”となる元貨客船、RMS St.Helena(セントヘレナ号)に集結。

 2月中旬には世界中を航海するために出航し、初年度を構成する5つのイベントカレンダーは、3月のサウジアラビアに始まり、5月にセネガル、8月にグリーンランド、10月にブラジル、そして12月のパタゴニアと進んでいくことになる。

Andretti Unitedとともに、宿敵Chip Ganassi Racingも参戦。北米の雄が電動SUVシリーズでも火花を散らす
Andretti Unitedから参戦のケイティ・マニングスは、僚友のティミー・ハンセン同様レッドブルからの支援を受ける
ニコ・ロズベルグのRosberg Xtreme Racingも、ヨハン・クリストファーソンとモリー・テイラーの強力ペアで挑む
父のレクチャーを受け、電動SUV『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』のシートに収まるカルロス・サインツJr.

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