するとここでX44のマシンに災いが降り掛かり、右後輪のパンクにより交換作業を強いられる事態に。メカニックと一緒にすぐさま作業に取り掛かり、仕事を完遂したローブだったが、残念ながらこれで首位陥落。代わって2周目の首位に立ったアンドレッティのティミー・ハンセンと、3連勝を狙うRXRのクリストファーソンによる“WorldRX世界王者同士の一騎打ち”が繰り広げられる。
クロスラインでポジションを入れ替えつつ、サイド・バイ・サイドでジャンプをこなしていったふたりの勝負は、またもアクシデントによる幕切れを迎え、RXRのオデッセイ21はアグレッシブな着地の衝撃に耐えきれずストップ。ライバルの消えたティミーは冷静にフィニッシュまでマシンを運び、シリーズ初優勝を達成。
2位に「彼らと対戦するのは本当に楽しいし、ヨハン(・クリストファーソン)のジャンプを見たとき、それは無事に済まないだろうと思っていた(笑)」と語ったコチュリンスキーのJBXEが入り、敗者復活からの連続表彰台を獲得。そして3位にはこれがチーム初ポディウムのカルロス・サインツ/ライア・サンズ組が続く結果となった。
「(走行ラインの)選択肢がたくさんあるトラック後半はとても楽しかった。狭いセクションではラップを重ねるごとに深い轍(わだち)が入り、ファイナルでは限界を超えそうになったけれど、今は素晴らしい気分だ」と、勝利の喜びを口にした兄ティミー。「このイベントが無事に実現されただけでも大成功だし、弟のケビンと表彰台に立つのは3戦連続(今季WorldRXでは開幕から2戦連続1-2)だ。本当にクレイジーだね!」
一方、週末を通じて高い競争力を維持し、勝利に貢献したマニングスも「この結果は想像もできなかったし、文字どおり言葉もない気分よ。ティミーからは多くを学んでいるし、素晴らしいチームメイトとの仕事は本当にクール!」と笑顔を見せた。
「このトラックも今まで見てきたものとはまるで違っていて、毎ラップのように違うことが試されるので本当に面白かった。正しいラインや速度が何であるかを判断するのも難しかったし、準決勝で大きな岩を越えて逆転を狙ったサラザンの功績もあると思う。私はあれでスイッチが入ったし、週末の重要な瞬間だったと感じている」
直近にはシーズン後半に予定されていた南米2戦のキャンセルを発表したエクストリームEだが、新たに山火事被害に苦しんだイタリア・サルディニア島での1戦を代替地とすることをアナウンス。再び“フローティング・パドック”となる貨客船セントヘレナ号にすべての機材を搭載し、10月23~24日開催の第4戦“Island X Prix“に向け出航することになる。


