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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2022.11.10 17:05
更新日: 2022.11.10 17:31

【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦ドライバー紹介/Vol.6『オット・タナク』

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ラリー/WRC | 【いざ、ラリージャパン2022】注目の参戦ドライバー紹介/Vol.6『オット・タナク』

 WRカー最後の大幅改変となった規定導入初年度に、セバスチャン・オジェの僚友として三度トップチームに昇格したタナクは、開幕から好調を維持し、第7戦サルディニアでついに初優勝を手にしてみせる。同年第10戦のラリー・ドイチェランドではターマックも制覇し、年間ランキングでも3位を獲得するなど飛躍のシーズンとなった。

 これを見た当時のTGR WRTのトミ・マキネン代表は、タナクに対し高待遇の条件をオファー。その求めに応じ「No.2ではなくチャンピオン候補として戦えるシート」を求め、翌年にはトヨタ陣営への移籍を決める。その初戦モンテカルロでは、古巣フォードのオジェに次ぐ2位表彰台を獲得すると、ツール・ド・コルスでの2位を経て第5戦アルゼンチンで『ヤリスWRC』での初優勝をマークする。

 その後もフィンランド、ドイツ、トルコと3連勝を飾ったタナクは、終盤の失速でドライバーズランキングこそ3位に留まったものの、トヨタの復帰後初となるマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献した。

 そして2019年。シトロエンのオジェやヒョンデのティエリー・ヌービルらとタイトル争いを展開したタナクは、年間6勝を挙げるとともに、森林火災の影響で開催キャンセルが決定していた最終戦オーストラリアの目前、スペイン・カタルーニャの最終パワーステージを制して2位フィニッシュ。この瞬間に、エストニア出身ドライバーとして初の世界チャンピオンに輝いた。

 この実績を提げ、2020年にはディフェンディングチャンピオンとして華々しくヒョンデ・シェル・モビスWRTへ移籍。今季までの過去3年間で5勝を挙げ、2022年新規定車両のヒョンデi20 Nラリー1では3勝を飾っている。

 しかし最終戦ラリージャパン開催直前となる10月23日には、複数年契約のオプション権を行使し「一身上の都合により」チームからの早期離脱を表明。昨季最終戦モンツァも同様の理由で欠場し、2022年開幕前には新たな複数年契約にも署名していたが、来季は新天地を求める決断を下し、ヒョンデのドライバーとして戦うのは今回のラリージャパンが最後となる。

「これは個人的な決断であり、慎重に検討し、チームを尊重したうえでの決断だ。しかし僕は自分のキャリアのなかで、新たなチャレンジに踏み出すべき段階にきたと感じている」と明かしたタナク。

「僕たちは困難な時期を乗り越えるために一緒に努力してきた。そして今季僕らが示したように、それは正しい方向に進んでいる。シーズン後半は、物事がうまくいったときに達成できるパフォーマンスレベルを示すことができたが、僕にとっては新しいことをする時期が来たんだ。チームの理解に感謝している。また、彼らの健闘を祈っている」

2016年の第7戦ポーランドでは、DMACKタイヤで最終SS直前までラリーを支配したが、パンクで惜敗。落胆するタナクをオジェらが称える一幕も
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年間6勝、3度の表彰台を獲得した2019年にはチャンピオンを獲得。トヨタとしても1994年のディディエ・オリオール以来の王者誕生となった
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来季は新天地を求める決断を下し、ヒョンデのドライバーとして戦うのは今回のラリージャパンが最後となる
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