前述のとおり、ポール・ミラーのM4 GT3は、BMWのファクトリードライバーであるファン・デル・リンデがドライブしていたレース終盤のスティントにおいて発生したトラブルが、デビュー戦での優勝を遠ざけることになってしまった。

 このことについてセラーズは「熱による問題がブレーキにあったんだ」と話す。

「レースが残り3時間半になった頃、シェルドン(・ファン・デル・リンデ)がステアリングを握るとペダルのストロークが少し長くなっていた。ドライバー交代は、彼を少し休ませるためにやったんだ」

「この長丁場の戦いのなかで、ブレーキパッドは完全にダメになっていた。右フロントに至っては完全に残りがなくなってしまったんだよ」

「問題は、摩材がなくなると同時に熱でローターが壊れてしまったことだ。このような失敗は、今までの経験のなかでも見たことがないよ」

 ファン・デル・リンデはSportscar365に対し、インフィールドセクションで芝の上に飛び出した際、ブレーキ交換後にステアリングが故障したのかと思ったと明かした。

「交換を終えてコースに戻った時、フロントに違和感があった。そこでマシンを左右にウィービングさせてみたんだけど、ステアリングに何も反応がなかったんだ。だから、ステアリングコラムか何かが壊れたと思ったんだ」

「結局ブレーキがおかしいことがわかった。それが何だったのかはわからないけどね。そしてABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の故障もあった」

「最後の2時間はABSなしで走っていたよ。ターン3への進入ではスモークがすごかったと思うけど、表彰台のためには必要なことだった」

 ポール・ミラー・レーシングではマシンをM4 GT3にスイッチして以来、長距離レースでのブレーキトラブルに悩まされてきた。2023年のセブリング12時間でGTDクラス優勝を飾ったときもそうだ。セラーズは、ミシュラン・エンデュランス・カップのレースでブレーキに問題があることは、チームにとって解決しなければならないことだと指摘する。

「我々にとっては既知の問題だ。原因は未だにわかっていないけどね」とセラーズ。

「もし我々が推奨されたものに忠実でなかったら、容易に説明がつくだろう? もし自分たちで別のコンパウンドを使用していたとしたら? でも実際はそうじゃない」

「混乱するし、解決しなければならないことだ。長いレースでブレーキに問題を抱えたままではいられないからね。かなり重要なことだよ」

2024年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦デイトナ24時間でGTDプロクラス3位となったポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3
2024年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦デイトナ24時間でGTDプロクラス3位となったポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3

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