一方の可夢偉はアロンソの意外な一面を発見したと言い、プレイステーションの『グランツーリスモ』と『ウイニングイレブン』の腕前が相当高いことを暴露。

「チームメイトのホセ-マリア・ロペスはゲームで世界大会に出るくらいのゲーマーなんですけど、その彼を秒殺K.O.ですよ」

「それも変態なんで、(グランツーリスモでは)ステアリングコントローラーではなく通常のコントローラーでABSなしやTCなしで走るんですよ。僕らは1周目の1コーナーで刺さってるくらい恐ろしく難しいのですけど、彼はゲーム屋さんですか? ってくらい上手いです」

「スパ6時間ではトヨタのドライバースペースにプレイステーション4が持ち込まれましたが、実際のレース距離よりゲームの走行距離の方が長かったです(笑) 僕らがレースを戦ってる間にアンソニー(・デビッドソン/リザーブ兼テストドライバー)やフェルナンド、ロペスが競ってて、もう和気あいあいですよ」

 そんなスパでは予選後にペナルティを受けポールスタートから一転、1周れでのスタートを強いられた可夢偉。決勝での気持ちを問われると「やるしかない! 1周遅れでも勝つんだという気持ちでドライバー3人はもちろんエンジニア、メカニックもすごく努力して(優勝した7号車と僅差での2位)まで6時間で持っていけました」と振り返っている。

「正直なところ、あれ(予選の失格)がスパでよかったなというのが本音です。ル・マンだと1周遅れって3分になるわけで、結構厳しくなります。参戦台数も多いですしね。それに比べればスパでよかったなと」

 また、追い上げるなかで気持ちをコントロールしながら6時間を走りきれた点では「ル・マンに向けて、いい仕上がりになっていると思います」と自信を覗かせた。

■可夢偉「本当に遅刻したんです」

 決勝レースのその後に起きた“事件”については「その裏で……表彰台に居なくて申し訳ございませんでした」と頭を下げた可夢偉。

「いろいろありまして、本当に遅刻したんですよ。ほんとに! (メディアの)皆さんがね“僕が怒った”っていうニュースを書くんですけども、怒ってません。本当に遅刻したんです」

「遅刻して(表彰台に)向かったらもう(セレモニーが始まっているので入っちゃ)ダメだと。もちろんレースなので勝ちたいのは当たり前なんですけど、個人的に表彰台に行けなかったのは残念だし、(チームに)迷惑をかけたと思っています」

「ただ、次のル・マンではどっちが一番かは分からないですけど(トヨタの)6人でしっかり表彰台に登りたいです。今回のスパでは、その本番前にひとつ話題作りをしたということで(笑)」と会場を沸かせた可夢偉と一貴の両名が挑む伝統のル・マン決戦は、6月3日(日)にテストデーが行われ、16(土)~17日(日)にかけて24時間の決勝レースが開催される。

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