──“調える”という意味では、ル・マン24時間レースはGも高いし、長時間走るので、たとえば油圧計や油温計をいつも以上にチェックしてエンジンをいい状態に保っているのかな、と。
一貴:そこはドライバーというよりチームですね。オイルをこまめに注ぎ足しています。そのタイミングや量について、チームが細心の注意を払って管理している。そのおかげで、何もトラブルが起きることなく走れています。
──ドライバーがそのあたりを気にしているようではダメと。
可夢偉:それは間違いない。安心して走れていることが一番です。
──ドライバーが安心して走れるように、エクソンモービルもオイル開発を日夜続けていますが、実はトヨタとの研究開発における協力関係は65年以上にも渡ります。そのなかで、モービル1はFTRS(フォーミュラトヨタ・レーシングスクール)、FTなどへのサポートを続けてきました。
一貴:僕らのころはESSO。ル・マンでもTS020はESSOだった。だから、すごくご縁を感じますね。
──おふたりは「エクソンモービルで育ったドライバー」とも言えます。
可夢偉:うん、たしかに(笑)。
一貴:僕らはユーロF3でもモービルでしたしね。
──さて、今季は来年のル・マンが最終戦。勝って当然と思われています。
一貴:何が起こるか分からないレースなので、今年同様しっかり戦いたい。
──可夢偉選手は「来年はオレが」と思っていますよね。
可夢偉:それは毎年思っているんですけどね(笑)。24時間無事に走るという点では今年は2台とも完走できたけど、来年はまた分からないという意識がドライバーには常にある。「勝てるだろう」という意識が弱さにつながるかもしれないので、初心に戻って一番いい状態で挑めるようにしたい。そこで自分ができる最高の仕事をして結果を残すということだけを考えています。
一貴:今季は長いし、まずは1戦1戦だけど、引き続きモービル1にお世話になりますので……。
可夢偉:よろしくお願いします! ということですね(笑)。