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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2020.08.16 04:08
更新日: 2020.08.16 04:11

苦戦予想を覆し、スパ・ウェザーを乗り越えたトヨタ7号車が今季3勝目/WECスパ決勝

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ル・マン/WEC | 苦戦予想を覆し、スパ・ウェザーを乗り越えたトヨタ7号車が今季3勝目/WECスパ決勝

 2時間が経過しようとする頃、ふたたびスパの空からは雨が落ち始めた。

 43周を終えて7号車コンウェイがピットに入る。小林可夢偉へと交代すると同時に、ウエットタイヤへと交換。同じ周に8号車もピットに入り、ハートレーへと交代。こちらもウエットへとタイヤを交換する。

 LMP1のバイコレス、レベリオンもこれに続き、さらには濡れた路面によるものと思われるコースアウトが相次ぐなか、他クラスもこのタイミングで続々とピットへ飛び込んでウエットタイヤへと交換していく。

 8号車のハートレー、7号車可夢偉ともにケメルストレートエンドでオーバーランを喫する場面が見られたり、1号車のメネゼスも最終コーナーをオーバーランするなど、各車雨に翻弄される厳しいレース展開となる。

 ヘビーレインのなか7号車可夢偉はリードを拡大していくが、雨が強まったため2時間22分経過時点、トップが57周目に入ったタイミングで3度目のSCが導入された。

 7号車と8号車の差はこれでほぼなくなった。SC中にピットインしてオリバー・ウェッブへとドライバー交代をしたバイコレスがクラス4番手へと後退、さらにトヨタ2台も同時にピットに戻り、いずれも新たなウエットタイヤへと交換。ドライバーはそのままだ。

 このアウトラップで8号車はまたしても一瞬加速しないような症状が出てしまい、7号車のリードが40秒程度に拡大した状況でリスタートを迎える。レースはちょうど半分、3時間を経過した。

 3時間半を迎える頃には路面の水量がふたたび少なくなっていき、上空には晴れ間も見え始める。

 レコードライン上が乾き始め、GTEクラスの車両がスリックタイヤへと交換していくなか、84周を終えて7号車可夢偉がピットへ。ロペスへとバトンタッチし、スリックタイヤに交換。直後に8号車もピットへと滑り込み、一貴への交代とスリックへの交換を行なった。

 4時間を経過して、トヨタ2台のギャップは40〜45秒ほど。ラップタイムはすっかりドライ時のものに回復した。このタイミングでは、すでにラップダウンとなっている3番手のレベリオンが、トヨタ勢より早いラップタイムで周回する場面も見られた。

 残り1時間20分のところで導入されたSCにより、周回おくれを挟むトヨタ2台の差は5秒程度にまで詰まり、116周を終えて残り57分のところでリスタート。一貴はロペスとの差をじりじりと詰めていく。121周目には両者の差は2秒を切った。

 少しのミスも許されない緊張感の漂うなか迎えた最後のルーティンストップは、追いかける8号車から。ここで一貴からブエミへとドライバーを交代し、タイヤも交換。次の周にはリーダの7号車がピットインし、コンウェイへの交代とタイヤ交換を行なった。

 ピットを終えると2台の差は10秒程度にまで拡大しており、事実上これで勝負は決着。さらに8号車は残り4分のところで燃料スプラッシュのためのピットインを要し、最終的には34秒の差をつけて7号車がシルバーストン、バーレーンに続く今季3勝目を挙げた。

 予選まではレベリオンに圧倒され、決勝でも苦戦が予想されていたトヨタ勢だったが、それを見事に覆した形の勝利となった。

 3位には1周遅れでレベリオン1号車が入り、終盤にガレージインもあったバイコレスは、17周おくれの総合27位でチェッカーを受けている。

今季3度目の優勝を飾ったトヨタ7号車TS050ハイブリッド。
今季3度目の優勝を飾ったトヨタ7号車TS050ハイブリッド。

■クラッシュで上位争いが決着したLMP2クラス


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