LMP2クラスはPPからスタートしたユナイテッド・オートスポーツ22号車オレカ(フィル・ハンソン/フェリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ組)がリードし、レーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカ(フリッツ・バン・イアード/ギド・バン・デル・ガルデ/ヨブ・バン・ウィタート組)が追いかける展開となった。
2時間目に突入してSCが明けたあとには、アルバカーキとバン・デル・ガルデによる2台の直接対決も勃発。スリックタイヤで雨のなかを走る状況下、バン・デル・ガルデがトップに躍り出る。
山下健太がファーストスティントを担当したハイクラス・レーシングのオレカは序盤からポジションを上げたが、開始1時間で導入されたSC中に山下がスピンを喫して後退しまう。「雨のなか、だいぶオーバーステアでつらかった」とマシンを降りた山下。
4時間を経過するころ、22号車のハンソンにシグナテック36号車のトマ・ローランが迫り、2番手争いが勃発。オー・ルージュでハンソンがGTEクラスに詰まったところを、ローランが鮮やかにパスする。しかしハンソンもローランに暗いつき、勝負は再び接近戦へと持ち込まれた。
29号車がバン・ウィタートからバン・イアードに変わるタイミングで、36号車と22号車の2台はいったんクラストップへ。その後ローランはハンソンを押さえ込んだままピットへ向かう。
次の周には22号車がピットに入り、ディ・レスタへと交代。ニュータイヤへと交換してコースに戻るとまたしてもローランとのバトルになった。2台はオー・ルージュへの進入で横並びになると、そのままラディオンの丘を駆け上がる。
ケメルストレートエンドでいったんは前をキープした36号車だったが、ディ・レスタも諦めず、次の周の1コーナーでローランを攻略することに成功、2台で20秒先の首位・29号車のバン・イアードを追う展開となった。
瞬く間に差を詰めたディ・レスタはレース残り1時間20分あまりとなった107周目の1コーナーで29号車をパスし、トップを奪う。
36号車のローランも同じ周にバン・イアードをパスしようとターン16で並びかけるが、スペースがなくなってマシン左側をグリーンに落とし、コースを横切って右側のタイヤバリアへと大クラッシュ。これでSCが導入されることとなった。
リスタート後、29号車をクール・レーシングの42号車オレカ(ニコラ・ラピエール/アントニン・ボルガ/アレクサンドレ・コニー組)のラピエールがパスして2番手に浮上。さらに残り25分で29号車が最後のピットを済ませると、ハイクラス・レーシング33号車はクラス3番手へと浮上していた。
42号車が残り23分でピットインしたことにより暫定2番手に浮上していたハイクラス・レーシングのマーク・パターソンだったが、最終コーナーでスピン! 42号車と29号車に先行され、クラス4番手へと転落し、その後はスプラッシュのためピットへと向かった。
クラストップでチェッカーを受けたのは、ユナイテッド・オートスポーツ22号車で、バーレーン、オースティンに続く3連勝となった。2位にクール・レーシング42号車、3位にレーシングチーム・ネーデルランド29号車というトップ3になっている。
山下健太のハイクラス・レーシングはクラス5位、山中信哉のユーラシア・モータースポーツはクラス8位でレースを終えた。
