LMGTEプロクラスは序盤からポルシェ、アストンマーティン、フェラーリの3メーカー6台すべてが絡む大接戦となった。
まずはAFコルセ51号車フェラーリ488 GTE Evo(ジェームス・カラド/アレッサンドロ・ピエル・グイディ組)が先行する。ポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR(マイケル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組)はいち早くスリックへの交換を敢行し、他クラスもこれにならう形に。
開始1時間のところで導入されたSCの時点で、51号車フェラーリ、92号車ポルシェ、91号車ポルシェ911 RSR(ジャンマリア・ブルーニ/リチャード・リエツ組)がトップ3を形成し、アストンマーティンの2台が続くが、リスタートでは92号車ポルシェが先行しトップに立った。その後51号車が逆転するが、バトルはやはり随所で続く。
4時間目を迎えて雨が弱まったところで、各車は再びスリックタイヤへと交換。ピットを終えたところで92号車クリステンセンがトップを奪い返すが、背後には95号車アストンマーティン・バンテージAMR(マルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム組)のティームが張り付く。82周目のケメルストレートエンドでクリステンセンがブレーキをロックアップさせてしまいオーバーラン、ティームが首位を奪った。
だがティームは逃げ切ることができない。クリステンセンはぴたりと背後につき、トップ再浮上の機会をうかがう。その後、先にルーティンピットへと飛び込んでエストーレへと交代した92号車ポルシェがソレーンソンに交代した95号車を逆転、実質トップを奪い返した。
36号車のクラッシュにより導入されたSCのおかげもあり、2台はテール・トゥ・ノーズの状態となる。
このSC中に残り1時間を迎え、ここで97号車アストンマーティン・バンテージAMR(アレックス・リン/マキシム・マルタン組)を除くGTEプロの5台がピットに飛び込んで給油作業を行なう。作業を終えると97号車が首位に躍り出ていた。
以下、92号車ポルシェ、95号車アストンマーティン、51号車フェラーリ、91号車ポルシェという順で残り57分のリスタートを迎えた。92号車はピットで僚友の91号車と重なったことでタイムロスを喫したようだ。
97号車のマルタンを、92号車のエストーレが追い詰めていく。だが、ピットからは各車に燃費セーブの指示が飛び、差はなかなか縮まらない。
126周目の1コーナーで首位を守っていた97号車マルタンがオーバーラン。92号車ポルシェがここでトップの座を手に入れることとなった。
終盤には51号車フェラーリのカラドと、91号車ポルシェのブルーニによる4番手争いが白熱。
残り6分で2番手だった97号車がたまらずピットに飛び込み、5秒ほどの燃料スプラッシュを済ますと、51号車フェラーリの鼻先でコースに復帰する。すぐ後ろには91号車ポルシェが迫っており、3台がほぼ1パックの状態で3番手争いを形成することになった。
トップ2台の燃費が心配されるなか、ファイナルラップへと突入。92号車ポルシェが逃げ切って今季初優勝。2位に95号車アストンマーティン、97号車アストンマーティンが3位に続いた。
LMGTEアマクラスではAFコルセの83号車フェラーリ488 GTE Evo(フランソワ・ペロード/エマニュエル・コラール/ニクラス・ニールセン組)がクラス優勝。
2位はデンプシー・プロトン・レーシングの77号車ポルシェ911 RSR(クリスチャン・リード/リカルド・ペーラ/マット・キャンベル組)、3位はTFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージAMR(ジャン・ルカ・ジラウディ/リカルド・サンチェス/ルカ・レゲレット組)という順位でフィニッシュした。
