2021年のル・マンでは、2023年限りでLMGTE規定の車両でのレースが終了し、WEC/ル・マンのGTクラスは2024年からFIA GT3規定をベースとする車両で争われることが発表された。

 LMGTE規定が2023年限りで終了となることについて、木村は「残念は残念ですよね。コンペティティブなクルマではなくなってしまい、そこで会得した技術が必要なくなってしまうので」と語る。

 木村は常々「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が無いことがLMGTEの魅力」であると口にしてきた。一方のGT3車両には、ABSが装備される。

「ル・マンの魅力であり難しさであるのは、最高速からのブレーキング」と語る木村は、そこで『タイヤをロックさせない、丁寧なブレーキング技術』を磨いてきた。それが「私にとっては、ABSはない方がいい」と語る理由だ。

 ル・マンがGT3車両で争われることとなれば、ストレートエンドではABSに任せてただ強烈にブレーキペダルを踏みつけるだけで良くなり、ライバルのジェントルマンドライバーに対する木村のテクニック面でのアドバンテージは失われてしまう。

 そんなWECの将来を踏まえ、木村はこう口にした。

「であれば、LMP2もありかなと思います。今年から、LMP2もプロ/アマ(カテゴリー)ができたじゃないですか」

 WECは今季、LMP2クラスにおいてブロンズドライバーを含むラインアップの陣営対象の『FIAエンデュランス・トロフィーLMP2プロ/アマ』を創設。ドライバー、およびチームの2部門で年間タイトルが争われており、レース後の表彰式もLMP2総合とは別に行われている。

LMP2プロ/アマクラスのウイナー、ドラゴンスピード・USAの21号車オレカ07・ギブソン
2021年ル・マン24時間レース LMP2プロ/アマクラスのウイナー、ドラゴンスピード・USAの21号車オレカ07・ギブソン

 木村と言えば“スーパーカー”というイメージがあり、プロトタイプカテゴリーへの興味は少々意外にも感じるが、根底にあるのは“プロ/アマ最高峰”、つまり世界選手権においてアマチュアドライバーとしての最前線で戦いたい、という気持ちである。

「LMP2にも、ジェントルマンが戦えるクラスができた。そこをやらない手はないかな、と思います。『らしくない』と言われれば、そうかもしれませんが……」

 まずは来季、チームとしてLMGTEアマへのフル参戦を狙う木村とCARGUY Racing。その先には、新たな“冒険”も待っているのかもしれない。

2021年のWEC第5/6戦バーレーンへ出場するとなると、日程の重複するスーパーGT第7戦を木村は欠場することになる。
2021年のWEC第5/6戦バーレーンへ出場するとなると、日程の重複するスーパーGT第7戦を木村は欠場することになる。

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