ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.05.03 07:07
更新日: 2023.05.02 22:53

D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート


ル・マン/WEC | D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2023.5.3

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2023 FIA World Endurance Championship
Round 3 6 Hours of Spa-Francorchamps (BEL)

APR. 27 – 28 Qualify :8th / Race:10th

序盤大きなリードを築くも、荒れたレース展開に翻弄される

 2023年のFIA WEC世界耐久選手権は、4月14日(金)〜16日(日)にポルトガルで行われた第2戦から、約1週間半ほどのインターバルで第3戦を迎えた。舞台はベルギーのスパ・フランコルシャン。深い森のなかにあり、不安定な天候とチャレンジングなコーナーが続く、世界屈指のドライバーズサーキットのひとつだ。D’station Racingにとっては、2021年にWECへの挑戦をスタートさせた思い出のコースでもある。

 そんな一戦に向け、星野敏/藤井誠暢/キャスパー・スティーブンソンがドライブするアストンマーティン・ヴァンテージAMR GTEは、開幕2戦に比べて性能調整が若干好転し、ライバルたちに対してスピードの面で対抗しうる状況となっていた。レースウイーク初日となる4月27日(木)、午前11時30分からスタートしたフリープラクティス1では、藤井から走行を開始。スティーブンソン、星野と交代しながら7番手につけるが、この走行中、ハイパーカーに接触されてしまうシーンも。午後4時20分から行われたフリープラクティス2では、星野、藤井、星野と交代しつつ、10番手で初日を終えることになった。

 走行2日目となる4月28日(金)は、一転スパらしいウエットコンディションとなった。藤井、星野、さらにスティーブンソンと交代しながらラップを重ね、8番手でフリープラクティスを終えた。性能調整も良くトップ10圏内はキープしており、ドライバー3人のペースも良好。たしかな手ごたえを得て予選を控えることになった。

 3回のプラクティスを経て迎えた午後5時からの予選。アタッカーを務めた星野は、3周目に2分21秒746までタイムを上げ、5番手に。さらに翌周もタイムアップを狙っていくが、ここで#56 ポルシェがラディオンで激しくクラッシュしてしまい、赤旗中断となってしまった。再開後も星野はプッシュを続け、アタック最終周となる7周目に2分20秒507をマークしたが、結果は8番手。赤旗がなければもう少し伸ばせた手ごたえがあっただけに、やや悔しい予選となった。

 迎えた4月29日(土)の決勝日。この日のスパも天候は不安定だった。午後0時38分からのフォーメーションラップを前に、路面は濡れた部分が多く、非常に難しい状況。スリックタイヤも履くことは可能だが、今季からWECではタイヤウォーマーが禁止されており、ブロンズドライバーには厳しい状況だった。

 そんななか、D’station Racingのスタートドライバーを務めたのは藤井。冷えたタイヤをいかに操るかは日本で熟知しており、藤井にとっては得意とも言えるシチュエーション。2周目には3番手に上がるが、すぐにストップ車両が発生。そのために導入されたセーフティカーラン明けにはトップに浮上してみせた。

 スリッピーな状況にライバルたちが苦戦するなか、藤井はダブルスティントを敢行し、大きなリードを築いていった。ただスティント終盤、競り合いのなかで藤井は接触によりペナルティを課されてしまう。

 藤井は2時間強を走り、星野に交代するが、難しいコンディションのなかで星野はブロンズドライバーのなかでも上位とも言えるタイムを記録。好ペースで追い上げていった。ただ、その後もアクシデント等が多く、導入されたセーフティカーランにより、藤井が築いてきたリードが失われてしまったばかりか、ラップダウンにもなってしまう状況となってしまった。とはいえ、戦略は急に変えるわけにもいかない。星野は4時間13分までをきっちり走り、スティーブンソンに交代。その後も安定したラップを重ねたが、最後は9位でフィニッシュすることになった。

 ただレース後、スティーブンソンの乗車時間が規定に足りなかったとしてタイムペナルティが課され、結果は10位に。レースは終始噛み合わない週末となってしまったが、この週末みせてきた好ペースは間違いなく今後に繋がるはずだ。

D'station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート
D’station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
個人的には3回目となるスパでのレースウイークを終えました。このスパは走るだけでも感動を覚える憧れのコースでしたので、ここでレースを終えることができて非常に嬉しく思っています。予選では、もう少し良いタイムを出せる手ごたえはありましたが、赤旗中断が響き8番手となってしまいました。またレースでは、藤井選手が序盤から難しい状況で順位を上げてくれたものの、ペナルティ、またセーフティカーのタイミングがすべて悪い方に重なってしまい、むしろ損をしてしまい上位に行くことができませんでした。次戦はいよいよル・マンです。チームとしては3回目、私は4回目となりますが、100周年大会ですので、完走して良い戦いができるようにしたいと思います。

Driver:Tomonobu FUJII
第3戦に向けて若干の性能調整変更があり、良い流れでレースウイークがスタートしました。決勝はダンプコンディションとなりタイヤ選択が難しかったなかでスリックを履き、スタートを担当しましたが、序盤にトップに立つことができました。ただその後ペナルティをとられてしまったり、セーフティカーのタイミングが良くなかったですね。特に二度目のSCで我々の2分近いリードが帳消しになってしまったのがかなり痛かったです。その後は星野選手のペースも良く、ブロンズのなかでも4位というタイムを出してくれました。またスティーブンソン選手も良い戦いをしてくれました。結果は残りませんでしたが、次のル・マンに向けて良いレースができるようにしたいですね。

Driver:Casper STEVENSON
今回の第3戦では、僕たちにとってはいくつもの良い部分をみせることができたと思う。特にスタートから序盤の2時間をリードすることができたし、藤井サンも星野サンも、素晴らしいペースをみせてくれたと思う。ただ、その後はいくつもの不運が重なってしまった。特にセーフティカーのタイミングによってラップダウンになってしまったり、レース中や、ドライブ時間が足りないことによるペナルティを受けてしまったりした。とはいえ、あんな不安定なコンディションのなかでもペースが悪いものではなかったし、あれほどクラッシュが多いなかで完走したのはポジティブだ。次戦ル・マンも良い順位で終えたいと思っているし、WECの残りのシーズンが今から楽しみだね。

Team Director:Tom FERRIER
スパ・フランコルシャンでの戦いでは、性能調整が少し緩和されたこともあり、開幕2戦に比べればスピードがあったと思う。レースは非常に難しいコンディションとなったが、我々はプロでのスタートを選び、大きくリードを築くことができたが、セーフティカーのタイミングでマージンを失うことにになり、結果的に10位までポジションを落とさざるを得なかったのは非常に悔しいものだった。とはいえ、ドライバー3人は良いペースで走ることができていたので、戦略とタイミングが噛み合えば、今季上位にいくことは十分に可能だと思っている。次戦はル・マンで、大きなイベントとなる。我々としても万全の準備を整えていきたいと思っている。

Chief Engineer:Jonathan LYNN
スパはどのチームにとっても、どのドライバーにとっても難しいコースであり、そのとおりのレースになったと思う。スタートから藤井サンがスリックタイヤでトップに立つことができたが、そこまでは戦略どおりに進めることができた。この序盤で大きなタイムを稼ぐことができたが、セーフティカーのタイミングでマージンを失い、流れをつかむことができなかった。2スティント目を星野サンに任せていたら違う流れにできたかもしれないが、こればかりはやってみなければ分からない。レースの難しさだろう。ただキャスパーも若いながら速さと安定感もあることが良く分かった。3人とチームの力を活かし、ル・マンでは力を示していきたいね。

D'station Racing 2023 WEC世界耐久選手権第3戦スパ・フランコルシャン レースレポート
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