レース最終盤、フェラーリを追う8号車トヨタの平川がアルナージュでスピンを喫した後、ギャップを3分半近くに拡げた51号車だったが、ピエール・グイディの最終ピットストップで再始動が遅れたことで、表面的にはどちらのマシンが優勢なのかが分からなくなった。

 フェラーリの耐久レース車両責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、「車内のシステム間の通信が途絶えた」ため、車両全体をリセットすることになったと説明した。

「電源オフ、電源オンという“パワーサイクル”を強いられた」と同氏。

「私たちは最初にこの問題が起きたときに何が起こったのかに驚き、少し時間を失ってしまった。しかしその後は事態を理解した。私たちは状況を管理するために手順を準備して落ち着いていた。誰も心配していないのがわかったと思う」

「(ふたたび)時間を失う可能性があることは分かっていたが、準備はしていた。(問題が再発したラストピット時に)2台の間に少しマージンがあったのはラッキーだった」

 カニッツォはまた、アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンの駆る50号車が10時間経過時点で6周を失った後、総合5位でフィニッシュしたリカバリーの努力を称賛した。

 50号車は、飛び石によってエネルギー回生システムの冷却装置の一部であるラジエーターが破損。冷却液が漏れ出していた。

「2台のクルマは同じレースペース、同じポテンシャルを持っていたと思う」とカニッツォは語った。

「ドライバーもマシンも同じレースペースだった。50号車は石がネットに当たった後、ラジエーターにも当たってしまったのが不運だった」

「このようなことが起こったことは一度もなかった。テストでは他のクルマと一緒に走ることがないからね。おそらく、次のレースではラジエーターの前のネットを補強することになるだろう」

「50号車のドライバーは素晴らしい仕事をしてくれたので、申し訳なく思っている。彼らにとっては悲しいことだが、一方ではフェラーリにとっては素晴らしい結果でもあるんだ」

ル・マン24時間レース“100周年記念大会”で優勝したフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499P 2023年WEC第4戦ル・マン24時間レース
ル・マン24時間レース“100周年記念大会”で優勝したフェラーリAFコルセの51号車フェラーリ499P 2023年WEC第4戦ル・マン24時間レース

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