更新日: 2024.05.20 12:07
TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス レースレポート
2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦オートポリス
坪井が力強い追い上げを見せ3位表彰台獲得
2024年シーズンスーパーフォーミュラの第2戦がオートポリスで行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が6番手スタートから追い上げ3位表彰台を獲得。阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が6位、山下健太(KONDO RACING)が7位、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が8位、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が10位でポイントを獲得しました。なお、初参戦のベン・バーニコート(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がファステストを記録しました。
2024年シーズン全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦が5月18日(土)19日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。3月上旬に行われた開幕戦以来、約2か月のインターバルをおいての第2戦となりました。
開幕戦鈴鹿では、山下が2位表彰台を獲得。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢は今季初勝利を目指し、今大会に臨みました。
今大会、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は、開幕戦を戦ったテオ・プルシェールに変わり、バーニコートがスポット参戦で出場。バーニコートはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権をレクサスRC F GT3で戦っており、昨年GTDプロクラスでチャンピオンを獲得。昨年暮れに行われたスーパーフォーミュラのテストにも参加し、セッショントップタイムをマークしています。
九州で唯一のスーパーフォーミュラ開催ということもあり、オートポリスには多くのモータースポーツファンの皆様が集まりました。今大会はオートポリスのある大分県日田市とのパートナーシップにより、日田市が進めている大ヒット漫画「進撃の巨人 in HITA ~進撃の日田~」とのコラボレーションコンテンツがサーキット内に展示される他、オートポリス周辺地域のグルメショップが集結した「ご当地うまかもんストリート」、別府温泉の魅力をPRする移動型温泉施設『幻想の湯』が設置されるなど、会場内にはモータースポーツ振興だけでなく様々な地域活性化を狙ったコンテンツが用意されました。
また、お客様がピットレーンを走行するマシンを間近で観戦できる「激感ピット」、昨年より行われている子供達によるモータースポーツ関連の職業体験「Out of KidZania in SUPER FORMULA」も行われ、多くの家族連れのお客様の好評を博していました。
■予選
18日(土)、午前中のフリー走行に続き、午後2時からノックアウト方式の予選が開始されました。気温は27度、路面温度47度と、初夏を思わせる日差しの下で、2グループに分けて10分ずつのQ1がスタート。A組では1分27秒592をマークした福住が3番手。山下が4番手、坪井5番手、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が6番手で4台がQ2へと進出。大嶋和也(docomo business ROOKIE)は0.089秒及ばず7番手。注目のバーニコートは9番手でQ2進出はなりませんでした。
B組では、開幕戦でポールポジションを獲得した阪口が2番手タイムをマーク。小林が4番手、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)が6番手でQ2へと進出。国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は0.055秒及ばず惜しくも7番手でQ1敗退。フリー走行から苦戦の続く小高一斗(KONDO RACING)は10番手に終わりました。
Q2も、Q1同様にセッション最後の一発アタックでの争いとなり、各車残り3分半ほどでアタックへ。3番手から7番手まで、5台が0.05秒内に入るという猛烈な僅差での争いとなるなか、阪口がTGR勢最上位の4番手。坪井が6番手、福住8番手、山下9番手、小林が10番手、大湯11番手、笹原は12番手から決勝をスタートすることとなりました。
■決勝
19日(日)も好天に恵まれ、気温24度、路面温度38度のコンディションのなか、午後2時50分より41周で争われる決勝レースがスタートしました。
スタートでは先行するホンダ勢が順位を入れ替えましたが、TGR勢最上位の阪口はスタート直後こそ3番手争いを繰り広げるも、その後はペースが上げられず、4番手のままでの走行を続けました。
義務づけられているタイヤ交換ピットを消化できる10周を終えたところで、福住、大嶋、翌周には山下がピットイン。阪口も12周を終えたところでピットへ向かいました。早めのピット作戦を採った車両と、ピットを遅らせる作戦を採った車両とが、タイム差を見ながらの見えないバトルを繰り広げることとなりました。
レースが折り返しとなる21周目を終えたところで、7番手を走行していたバーニコートがピットイン。バーニコートはピット作業でのタイムロスもあり、順位では後方での復帰となりましたが、23周目に1分30秒451の、このレースでのファステストタイムをマークしました。
25周を終えたところで、坪井がピットイン。翌周最後まで引っ張った大湯と国本もピットへ向かい、全車がピット義務を消化。この時点で阪口が5番手、坪井が6番手、山下7番手、福住が8番手を走行。
先行するホンダ勢や阪口よりも遅くピットインした坪井は、タイヤのグリップを活かして猛烈な追い上げを開始。28周目の最終セクターで阪口をパスし、5番手へポジションを上げると、前を行くホンダ勢よりも1周1秒以上速いペースで前方のバトルに追いつき、32周目、34周目にホンダ勢をパッシングして3番手へと浮上しました。
レース終盤は、大嶋がパッシングを見せるなど、中団グループでも最後まで見応えのあるバトルが繰り広げられました。
3番手を行く坪井はその後も自己ベストタイムを更新するなど好ペースで上位との差を詰めていきましたが、逆転には至らず。それでも6番手スタートからの追い上げで、TGR勢最上位となる3位表彰台を獲得しました。阪口は6位。山下が7位、福住が8位、小林が10位でポイント獲得を果たしました。
■コメント
VANTELIN TEAM TOM’S 36号車 ドライバー 坪井翔
「良かったです。ひとまず、ここまで上がることを目標にしていたので、目標達成できました。前戦鈴鹿では本当に苦しい思いをして、チームもともにすごく2カ月間準備してくれました。昨日の予選では6番手になってしまったのですが、しっかり追い上げるレースができました。こういうレースは久々です」
「スーパーフォーミュラではいつも防戦一方で、去年も抜かれての3位で、今年も同じ3位ですが、中身の濃い3位だったと思います。やっとカムバックできた感じなので、ここからかなと思います。まだまだトップの壁も分厚いですけど、なんとか打破して、久々の優勝ができるように頑張りたいと思います」