先頭の可夢偉が動いたのは34周目、ミディアムタイヤに履き替え先頭で戻ろうとしたところ、痛恨のピット作業ミスが起きる。なかなか発進しない可夢偉、メカニックは右リヤのナットがはまっていない状態でジャッキダウンしてしまう。最終的にピット作業に30秒もの時間がかかってしまい大きくロス。コースへはガスリーの後ろ3番手の位置に戻ることとなり可夢偉の初優勝は遠のいてしまった。
また、塚越も同じタイミングで2度目のピットへ向かい、ミディアムタイヤに履き替え11番手の位置へと戻っている。
この時点でトップを走っていたのはピット義務未消化の石浦。タイヤ交換義務を果たしたなかでのトップは2番手を走るガスリーだ。
石浦が動いたのは40周目。ソフトタイヤに履き替え7番手の位置でコース上へと戻り、これでモニター上の順位と実質の順位が同じとなりガスリーがトップに立った。
残り12周となったレースは、コース上での展開を見守るのみに。ソフトタイヤのガスリーは2番手以降のマシンが1分37秒前半のタイムを並べる中、1分36秒前半を刻み続け、差をさらに広げていく。47周完了の時点で2番手の可夢偉との差は18秒425と大きく開いた。
そして、レース終盤はソフトタイヤに履き替え1分34秒~1分35秒で追い上げる石浦の走りに注目が集まった。残り3周、前を走るキャシディとの差はわずか0.2秒。石浦がどこでキャシディに仕掛けるのか固唾をのむ中、51周目、90°コーナーの立ち上がりでリヤを滑らせたキャシディの隙をついて4番手に浮上。前日の雨の中、Q1敗退という散々な結果から怒涛の挽回となった。
そして最終ラップ、ガスリーはオーバーテイクボタンを幾度も押しながらゴールへと向かい無事チェッカーフラッグを受けてスーパーフォーミュラ参戦4戦目での初優勝を飾った。
2位には18秒差でピット作業ミスが惜しまれる可夢偉、3位には6番手スタートのフェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が前戦富士大会の2位に続き連続表彰台を獲得した。ただひとり2ピット作戦を採っていた塚越は9位でゴールしている。
シリーズランキングはランキングトップの石浦が5ポイントを獲得、ランキング2位のアンドレ・ロッテラーは予選Q2敗退の14番手スタート、レース中盤に伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に追突し、ドライブスルーペナルティを受けるも7位フィニッシュ。2ポイントを獲得し2位をキープした。ランキングの順位は変わらずもふたりのポイント差は5.5ポイントと広がった。
