その順風満帆な石浦と対照的なのが、昨年のこのオートポリスでPPを獲得した山本尚貴(TEAM 無限)だ。昨年、ちょうど1年前の9月13日の予選で、山本尚貴は1分26秒469のコースレコードタイムでPPを獲得している。今回の予選の石浦のPPタイムよりコンマ2秒速いタイムだ。だが、今回の山本は予選Q2で1分27秒790と昨年より1.3秒遅いタイムでノックアウトされてしまう。予選後の山本は「持ち込みのセットアップは去年とまったく同じにしたのに、感触が全然違った」と首を捻る。もちろん、路面コンディションの違いやエンジンの改良など昨年とは環境が同条件ではない。とは言え、昨年のポールシッターが1.3秒も遅いタイムでしか走れず、昨年のデータが箸にも棒にも掛からないというのは、不思議としか言いようがない。

 山本は今年の開幕戦の鈴鹿でPPを獲得して第2戦の岡山でも予選3番手になっているが、3戦目以降はそれまでの活躍が嘘のような不振に喘いでいる。石浦の圧倒的な速さ、そして山本の謎の低迷……変化を呼び寄せたのはモノの違いなのか、それともヒューマンな部分なのか。これまでタイム差が拮抗していたスーパーフォーミュラで今、何か新しい局面が訪れているのかもしれない。ダラーラ製のSF14と今のスーパーフォーミュラは、まだまだ奥が深そうだ。

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