日差しはどんどん強くなり、午後には気温が27°C、路面温度は34°Cまで上昇。初夏のような陽気の中で、68周の決勝レースがスタートした。フォーミュラのレースでは抜きどころが少ないと言われるSUGOでは、スタートは勝敗を決める重要なファクター。ここに狙いを定めていた二人だが、10番手スタートの石浦はクラッチにトラブルが発生し出遅れてしまう。

 国本も、動き出しこそ良かったものの、1コーナーまでの集団状態で行き場をなくしポジションダウン。石浦が14番手、国本が18番手でオープニングラップを終えた。レース序盤は集団の中でなかなかペースを上げられずにいたが、10周が終了したあたりから燃料補給のピットインに向かうマシンが出はじめ、11周目には石浦の前にいた2台がピットイン。

 これで目の前がクリアになった石浦はペースアップし、1分9秒半ばから前半と上位陣に引けを取らないタイムを刻んでいく。ここでペースを上げてからピット作業に向かう予定だったが、18周目にJ-P.デ・オリベイラのマシンがコースサイドでストップしてしまったことにより、セーフティカーが入ることに。

 残りのレース展開を考えても、ピットインのタイミングはセーフティカーにキャッチされる前しかない。チームはこの時点で5番手を走行していた石浦、8番手を走行していた国本の2人を同時にピットに呼び戻し、連続でのピット作業を決断した。ところが、同じタイミングで隣のピットのチームもピット作業を選択。

 石浦はピットの作業エリアにマシンを止めるために大きくステアリングを切らなければならず、そこでクラッチからわずかに指が離れてしまいエンジンをストップさせてしまった。これにより、後ろで待機していた国本も合わせてストップ時間を延ばしてしまい、2台は16番手、17番手でコースに復帰することになってしまう。

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