予選の後、決勝を前にしたウォームアップ走行中、関口の車両から出火するアクシデントがあり、関口は無事でしたが決勝レースは欠場することとなってしまいました。
また、このアクシデントにより決勝レースのスタート進行が予定よりも遅れ、冬晴れの空の下、午後2時47分、気温9度、路面温度13度のコンディションで決勝レースのスタートが切られました。
最前列2番手グリッドの坪井が好スタートを切り、首位へと浮上。後方では3台、4台が並びながらの激しいバトルのなか、平川がふたつポジションアップの6番手、石浦が8番手、山下9番手、中嶋10番手、フェネストラズ11番手、そして最後尾スタートのキャシディが一気に12番手へとジャンプアップを果たしました。
タイトルを争う平川は、4周目の1コーナーで前の車両をパスし、5番手へ。先を行くライバルと、前でフィニッシュした方がチャンピオンという、直接対決に持ち込みました。
規定でピットインが可能となる10周を過ぎると、各車ライバルの動きを見ながらピットイン。平川は14周終了でピットへ向かい、素晴らしいピット作業でコースへと復帰しました。翌周ピットインしたライバルが平川の直前でピットアウトしたことで、2台は抜きつ抜かれつ、接触すれすれのチャンピオンをかけたバトルを展開。
このバトルで平川は一旦前に出たものの、その後ライバルの先行を許すことに。しかし、平川は諦めることなく僅差のまま追走。最後まで前でフィニッシュした方がチャンピオンというバトルが続きました。

一方で、最後尾から順位を上げていたキャシディは最後までピットを遅らせ、ピットインで必要となる後続とのタイム差を広げながらのハイペース走行。キャシディも優勝すればチャンピオンの可能性があるため、タイトルを賭けて見えない敵との争いとなりました。
30周を終えたところでキャシディがピットイン。平川の前でコースへ戻ったキャシディは、ニュータイヤの優位性を活かし、猛烈なアタックで4番手に上がると、さらに上位を狙ってプッシュを続けました。
首位を行く坪井は、ライバルからの追撃を抑えながらの走行となりましたが、最後まで首位の座を守りきり、トップでチェッカー。第2戦岡山に続き、今季2度目の勝利を飾りました。スーパーフォーミュラ2年目の坪井は、今季唯一の複数優勝ドライバーとなりました。
チャンピオンを賭けての追い上げを続けたキャシディは4位、平川も逆転ならず6位でフィニッシュ。惜しくもトヨタ勢のドライバーチャンピオン獲得はなりませんでした。チーム部門では、キャシディと中嶋のVANTELIN TEAM TOM’Sがチャンピオンを獲得しました。
■コメント
JMS P.MU/CERUMO・INGING 39号車 坪井翔
「正直、予選で2番手になれるとは思っていなかったので、そこが流れを変えられた大きなポイントだったと思います。スタートは自信があったので、2番手グリッドならいけると思ってましたし、トップに立ってからは主導権を握ってペースコントロールもできました」
「ただ、ライバルがずっと後についてましたし、セーフティカーが入るリスクもあったので、ヒヤヒヤしながら、最後の最後までしんどいレースでした」
「まさかシーズン最多勝を取れるとは思ってませんでしたが、良いクルマを作り上げてくれて、ピットもミス無くこなしてくれたチームのおかげだと本当に感謝していますし、結果で応えられてうれしいです。個人的にも納得のいくレースができました」

