「ずっと調子が悪く、今朝のフリー走行でもいろいろとクルマを変えているのを、僕も無線で聞いていました。コメント的にもずっと迷い続けているというか、明確に『こっちの方が良い、悪い』というコメントじゃなくて、ずっと『グリップしていない』とか、抽象的な感じのコメントが多かったんです」
「結果的にフリー走行中に調子が良くならなかったので、自分の経験値から『逆に悪かった要素があるんじゃないのか?』ということで、『これは悪くなかった?あれは悪くなかった?』というのを一緒に話し合ったりしました」
「僕もスーパーGTで、昨年調子が悪かったのが、今年はちょっと良くなってきたりとか……。そういう経験値の部分で、けっこう似ている話があったので、予選に向けて『こういう方向はどうかな?』というのを、その時は晴南はいなかったのですけど、エンジニアとそういう話をしていました」
「それで予選Q1にいったら、晴南が『え、2位ですか?』と無線で聞き直してくる感じでした。Q2では逆にタイムが落ちてしまったんですけど、フリー走行と予選での流れの違いが、すごく大きなヒントになったというのが、みんな共通で持っていた感触でした」
こうして、チーム全員が協力して、改善に取り組んだことで、復調の兆しが見えてきたのだが、阪口はこれを“自分の反省点”だと捉えており、早速Q2でうまくいかなかった部分の分析を進めたいと話した。
「こうして、ステアリングを握るまでのところで、もう少し自分でもなんとかできるところがあるのではないかと思います。そこは力不足を感じましたが、僕ひとりで戦っているわけではないので、何か壁にぶち当たった時も、おふたりがいてくれて、一緒に立ち向かってくれるので、そこは心強いです。ただ、これに甘えることなく、自分自身もしっかりとやっていかなきゃいけないと思っています」
「Q2ではタイムを落としてしまったので、そこは分析が必要です。もう一度、データと自分のフィーリングを照らし合わせて、何が良くて、何がダメなのかを判断していく必要はあります。あのクルマ体自体が、一瞬も速く走らない訳ではないということを確認できたのは、すごく良かったです」
いずれにしても、Q1で速さをみせられたことが、自信を取り戻すきっかけのひとつにもなっている阪口。この流れをさらに加速させるべく、石浦アドバイザーはチーム全体で取り組んでいきたいと語った。
「まわりの人からも『晴南どうしたの?』と聞かれていて……僕たちもなんて答えていいか分からない状況でした。本当にどこが問題なのかを、みんなで取り組んでいるところで、正直辛かったですが、その中で光明が見えたなと思います」
「(今日の結果が今後の起爆剤に)なればいいなと願っております。晴南は昨年も上位を走って表彰台にも登って、彼が持っているパフォーマンスは、みんなわかっていると思います。それで、下位にいるというのはチームの責任でもあるので……。立川さんも僕も含め全員で、なんとか本来のパフォーマンスに戻したいなと思っています」
