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投稿日: 2023.04.23 22:05
更新日: 2023.04.23 22:13

P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 決勝レポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 決勝レポート

SUPER FORMULA 2023
P.MU/CERUMO・INGING
RACE REPORT 
第3戦 鈴鹿サーキット
 
2023年4月23日(日)決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
決勝:2位
#39 阪口晴南
決勝:6位

 坪井翔がフロントロウとなる予選2番手、阪口晴南が10番手と、2台ともに上位を見据えるグリッドを獲得することができたP.MU/CERUMO・INGING。この勢いを繋げるべく、チームは4月23日(日)の決勝日に臨んだ。

 今回は二輪ロードレースとの併催ということもあり、タイムスケジュールとしてはやや遅めとなる午前11時05分から行われた決勝日のフリー走行で、P.MU/CERUMO・INGINGは燃料を積んだ状態でのセットアップを確認していった。富士スピードウェイでの第2戦での決勝ペースも良好だったことから、その再現を狙いたいところだった。

PRACTICE フリー走行

4月23日(日) 11:05~11:35
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’41.040 /#39 阪口晴南 1’41.174

 この日の鈴鹿サーキットは、前日に続き快晴に恵まれた。ただ今日も風がやや強く、さらに前日同様他併催レース走行後のコンディション変化なども予想された。そんななか、午前11時05分のコースオープン後、坪井、阪口ともに揃ってコースへ向かっていった。

 坪井はまず、コースイン直前にピットレーン出口でスタート練習を実施。阪口もアウトラップ後一度ピットに戻り、スタート練習を行った。第1戦の富士ではふたりともに満足がいくスタートを切れなかったことから、スタート練習は非常に重要なもの。ライバルたち同様、入念に練習をこなした。

 その後、坪井は二度のピットインを経て13周を走り1分41秒040というベストタイムで7番手。阪口は合計3回のピットインを行い、トータルで12周を走り、1分41秒174というベストタイムで10番手でフリー走行を終えた。

 坪井は途中1分41秒台のラップを重ねており、ライバルと比べても良好なペースではあったが、「鈴鹿ではこのタイヤでロングランができていなかったのですが、けっこうタイヤがタレますね」と振り返った。

「かなり痺れる決勝になりそうですし、タイヤがタレてきたときにどこにバランスを合わせるかは難しいです。その割にタイムは良かったようなので、逆にチャンスになるかもしれません」と坪井はレースに向け期待を寄せた。

 また阪口は、「フリー走行は良くなかったです。決勝ペースに向けて心配になる部分も大きかったのですが、そこを直していきました」とレースペースに向けてはやや不安が残る内容となっていた。

 P.MU/CERUMO・INGINGのエンジニアは、このフリー走行で得られたものを決勝に活かすべく、インターバルの間にセットアップをさらに調整していった。

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

4月23日(日) 15:45~
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’40.230(23L) /#39 阪口晴南 1’41.141(11L)

 午前のフリー走行の後、8分間のウォームアップを経て、午後3時45分に迎えた決勝レース。気温21度、路面温度36度というコンディションのなか迎えたスタートだったが、5番手の#5牧野任祐がグリッド上でストール。エクストラフォーメーションラップが行われ、レースは30周で争われることになった。

 スタートでは坪井はやや蹴り出しが遅れたものの、2番手をキープして1コーナーへ入っていく。ポールポジションスタートの#53大湯都史樹は序盤からプッシュを続け、一方で3番手の#1野尻智紀は後方から#15リアム・ローソンに追われることに。坪井は序盤単独走行を続けていった。

 一方、10番手から阪口は抜群のスタートを決めると、1周目を6番手で終える。さらに#15ローソン、#3山下健太にかわされた#1野尻が4周目には阪口の前に近づいてきた。ただ逆に、今度は#20平川亮、#37宮田莉朋が阪口の背後に接近。熾烈な上位陣のなかでオーバーテイクシステムとタイヤを駆使しながらのバトルとなっていった。

 序盤、レースは膠着状態となっていったが、10周を終えピットウインドウがオープンすると、P.MU/CERUMO・INGINGはアンダーカットを狙い、まず阪口がピットへ。翌11周には坪井がピットインした。

 チームは迅速な作業で2台を送り出すが、コースに復帰した坪井の後方からは、阪口と同じ10周でピットインした#15ローソンが抜群のアウトラップを終え坪井の後方に接近してきた。ここでかわされてしまっては#15ローソンに封じ込まれてしまう。坪井は1コーナーでマシンを前に入れると、冷えたタイヤで果敢な走りをみせ#15ローソンをディフェンス。さらに13周目には1分40秒620、翌周も1分40秒950とファステストラップを記録すると、猛プッシュで#15ローソンを離し、ピットイン組のトップに立った。

 ただ中盤、まだピットインを行っていない車両が坪井の前方に近づいきペースを乱されてしまう。まだピットインせずに先頭にいた#53大湯との位置取りが気になっていた。

 そんななか19周を終え、#53大湯がピットインを行う。ここで坪井はその横を通過しトップを奪うことに成功した。ただ直後、#53大湯は後方から迫った#1野尻とS字でクラッシュ。レースはセーフティカーランとなったが、これがP.MU/CERUMO・INGINGにとっては好ましくない展開となってしまった。

 24周目、リスタートを迎えると坪井は隊列をしっかりコントロール。スパートをかけ、24周目には1分40秒230とファステストラップを更新する。しかし、後方からはセーフティカー時にピットインした#37宮田莉朋がファステストを更新しながら追撃してきた。残り周回数も少なくなるなか、白熱のトップ争いが始まった。

 坪井はトップを死守しようと渾身の力を振り絞ったが、#37宮田はオーバーテイクシステム残量は少なかったものの、何よりニュータイヤを履いておりペースが優っていた。29周目、メインストレートで仕掛けてきた#37宮田に対し、坪井は抵抗をみせるも1コーナーでオーバーテイクを許すことに。ファイナルラップに坪井は懸命に首位を追うも及ばず。2戦連続の2位でレースを終えることになった。

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

 一方の阪口は、ペースは苦しかったものの中団で#3山下、#4小高一斗と接近したレースを展開。6位でレースを終えることになった。P.MU/CERUMO・INGINGは2台が入賞を果たしたが、一抹の悔しさが残る一戦となった。

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

#38 坪井翔

「悔しい結果となりましたが、レースは支配できていたと思いますし、しっかりと前に出てトップ争いを常にできる状態でレースができたと思います。前回の2位とは異なる、内容が濃い2位だったと思います。正直、あのタイミングでセーフティカーが出られては厳しくなってしまいます。なんとか2位で終われましたが、終盤5周は苦しかったです」

「とはいえこのスーパーフォーミュラというレベルが高いシリーズで連続2位を獲れているのはなかなかないことですし、昨年は苦しいシーズンを送ってきましたが、今年は良い流れで来ていると思います。初優勝が特別なものなのは僕も分かりますので、優勝した宮田選手には今日は素直におめでとうと言いたいですね」

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「スタートは良かったですね。第1戦で失敗してから、第2戦で良くなったので、今後も強みになると思っています。その後もオープニングラップで1台を抜くことができたのでそれが良かったですね。ただその後のペースは良くなかったので、6位という結果に比べると内容が悪かったレースでした」

「またピットインのタイミングを臨機応変に対応してくれたチームに感謝しています。状況を考えたら、6位はこの上ない結果になったのではないでしょうか。鈴鹿での最上位ですしね。次戦のオートポリスは昨年良い結果を残すことができましたが、今年に向けてはあまり参考にならないかもしれません。とはいえ、やりたいことはあるので、レースに活かしていきたいです」

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「坪井選手にとっては悔しいレースになってしまいましたね。戦略としてはすごくうまくいっていましたが、セーフティカーが出てしまったのが大きく響いてしまいましたね。坪井選手は精一杯頑張ってくれましたし、チームも完璧な仕事をしてくれました。とはいえ前回の富士、そして今回とトップを争えているので、こういうレースを続けていれば自分たちの番は回ってくると思います。その点ではポジティブな週末だったのではないでしょうか」

「阪口選手についても6位と、昨年の不調からは着実に良くなってきています。今後トップ争いにも加われると思っています。今回は悔しいレースでしたが、その気持ちを次戦にぶつけたいです。応援ありがとうございました」

2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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