では、どのような経緯でスーパーGTオフィシャルピットレポーターが決まるのだろうか。これまで数年に一度、女性のピットレポーターを目指す人向けに、オーディションの開催があり1名が選ばれてきた。
もともとスポーツが好きでレースにも興味があったという竹内さんは、ピットレポーターのオーディションを受けるのは実は2回目。昨年末のオーディションにも志願しこのポジションを勝ち取った。
「スポーツは基本的に好きなのでオーディションの話をいただいたときに受けたいなと思いました。5年前のオーディションも受けていて、実はこれが2回目でした。ですが2回目で受かるとも思っていませんでした」
上述の通りキャスターとしても活躍する竹内さんは、もちろんピットレポーターのような仕事に就いた経験は今回が初めて。この仕事に就くためには、アナウンサーになればいいわけでもなく、モータースポーツのジャーナリストになればいいわけでもないという。
どういう人にピットレポーターという仕事が向いているかというと、竹内さん曰く「相当タフな人。精神面が強い人じゃないとキツいかもしれません。我こそは、というメンタルが強い人がいれば」だそうだ。
そこで、J SPORTSのスーパーGT中継で番組プロデューサーを務める三原弘さんに、女性のピットレポーターの必要性と求める能力や採用に至る条件を聞いた。
「国際化が進んでいるため、英語ができることがピットレポーターになる最低条件です。女性のピットレポーターは、ある程度の若さが必要だという認識で僕たちは選んでいます。相方が(高橋)二朗さんというのもひとつの理由としてありますけどね」
「長期間やってもいいのですが、普通の人も(レースを)楽しむためのポジションですから。マニアックな内容は他の人がやればよくて、竹内さんのポジションは新鮮な目線を保ち続けるために必要だと思っています。そうではないこともたくさん要求されますが、フレッシュな人を起用するということは、そういう目的でもあります」
ピットレポーターの様々な業務を紹介してきたが、気になる報酬は、「しっかりといただいています。感謝しています(笑)」と竹内さんはいう。ただ、競馬関連でも仕事をしているため「競馬は番組よりイベントの方がすごく高いんですよ」と明かしてくれた。
また、J SPORTSの番組に出演することで、別カテゴリーのレースの取材や、クルマの展示会やイベントの仕事の依頼が増えるため、それに応じて報酬を得る機会も増えていくという。
日本国内のモータースポーツにおいて高い人気を誇るスーパーGTのピットレポーターを務め上げることは、並大抵のことではないことが竹内さんから伝わってきた。「タフで精神面が強い人」が適任だと語るように、ひとりしかいない日本代表のモータースポーツ女性レポーターを成し遂げることは、特殊であり厳しい仕事だろう。
そんななかで努力を惜しまず、勉強を重ね経験を積み、予選やレースにおいて重要な要素となるピット内での情報を伝えてくれるピットレポーターにも注目してみてほしい。
12月28日(土)午後9時30分~午後11時30分には、J SPORTS 3/J SPORTSオンデマンドで“激動の2019シーズンを振り返る! 今だから語れる熾烈なレースの舞台裏とは!?”と題される『SUPER GT 2019 総集編』が放送される。