前後とも、サイドのエッジが立っているのは空力性能由来で、GT-R NISMOが先に取り入れた手法を17年モデルに取り入れた格好だ。もとをたどればGT500車両の09規定終盤、13年モデルのソリューションに近い。
「GT-Rは基準車もNISMOも、日産本体で開発していますが、鶴見のニスモとは人の交流も情報の交流も頻繁に行っています。GT-Rの空力開発チームのなかには、スーパーGTで空力開発に携わった者もいます。形に落とし込んでしかも性能向上に使えるところは、どんどん取り込む考えです」
フロントバンパー下端のリップ部はGT-R NISMOをしのぐ張り出しに見える。
実は、上から見える張り出しよりも、裏面の処理の方が空力的には重要。段差状に処理してあるが(丸囲み)、「車両姿勢が変化する状況で安定してダウンフォースを発生させるための工夫」である。
サイドシルはフロントホイールハウスからリヤバンパーにかけての流れを整流する役割を担う。乱れた空気が床下に入り込まないように制御する考えは、レーシングカーと同じだ。