インテリアもしかりだ。メーターパネルと純正インフォテインメントに高解像度カラーTFT液晶パネルを用意するのはポロと同様なのだが、インフォテインメントの液晶パネルはA1のほうが明らかに大きい。

 ダッシュボードのメーターフードまわり、助手席前の空調ルーバーを模した加飾パネル、中央のエアコンパネル、そしてドアインナーハンドルなどを見ると、部品点数も各部品の仕上げも、ポロのインテリアより、ひと手間ふた手間、あるいはそれ以上にかかっていることは間違いない。

 こういうところが、A1の価格がポロより高い理由のひとつである。ただ、先代のA1と比較すると、高級コンパクトカーとしての根拠が、先代にあたる初代A1とはちょっと趣きが異なるのも事実だ。

インストゥルメントパネルを運転席側へとわずかに傾斜させるなど、コクピットと呼ぶに相応しいつくり
インストゥルメントパネルを運転席側へとわずかに傾斜させるなど、コクピットと呼ぶに相応しいつくり

 たとえば、初代A1のインテリアは同時代のポロより明らかに柔らかく手ざわりのいいソフトパッド素材を使っていたが、新型のインテリアはそういう高級素材より、デザインなどの“見せる”工夫に重きを置いている。

 また、先代はエンジンルームの静粛対策でも、同世代のポロより明らかに凝った構造になっていたのに対して、ボンネットやドアを開けて見比べるかぎり、新型A1とポロではハードウェアとしての静粛対策に大きな差はない。

 もっとも、古典的な高級素材よりビジュアル装備を重視する手法は、現代の高級車に共通するトレンドではある。現代のクルマづくりでは、骨格モジュールの基本性能を引き上げて、商品ごとの細かいつくり分けを減らす効率重視の設計思想が主流だ。よって、新型A1のつくり方はいかにも今っぽいといえる。

 ただ、われわれシロートから見て、新型A1ではポロに対する分かりやすい高級感がちょっと物足りないのも事実だ。A1は乗り心地や静粛性の面でも、ポロとのちがいは初代より見出しにくい。

 これは2018年にフルモデルチェンジしたポロの質感が底上げされたからでもあるのだが、実物の高級感は初代より差が縮まったように見えるのに、価格のほうはそれほど近づいていない。

A1スポーツバックのフロントシート。黒を基調にしたスポーティ&シックな印象
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ホイールベースが95mm拡大したことで、居住空間に夜余裕が生まれた
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■「見た目も走りも一段とスポーティさが増した印象」

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