F1での長いキャリアを経て、今は現場から離れた生活を送っているが、豊富な情報源を持つニック・リチャーズ氏のコラム。裏情報を知る彼が、F1の政治問題などをテーマに、独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

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 マクラーレンが圧倒的強さで支配している今シーズン、正直なところ、年を重ねた自分には、すべてのフリー走行、予選、スプリント、決勝を逐一観戦する気力が徐々に薄れてきている。私が若かった頃は、グランプリが14戦もあれば「長いシーズン」と考えられていたものだ。我々は当時、フォーミュラ2やスポーツカー、時にはGTレースもカバーしていた。しかし今は、52週のうち24回の週末がF1で埋まっているので、他の楽しみに時間を割く余裕がほとんどない。

 もちろん、若くして冷静そのもののオスカー・ピアストリと、才能豊かだが常に自己不信に苛まれるランド・ノリスとのチーム内バトルは実に興味深く、また最近ではシャルル・ルクレールの戦闘的な走りも、老いぼれた私の顔に笑みをもたらしてくれる。シーズン序盤のマックス・フェルスタッペンの見事なドライビングも同様だ。

 しかし今私の関心を引いているのは、純粋なレースそのものではなく、2026年にスタートするアストンマーティン・ホンダの成り行きだ。日本の旧友たちはエイドリアン・ニューウェイがアストンマーティン入りすると発表されてからというもの、夢心地だった。マックス・フェルスタッペンがアストンマーティンに移籍するかもしれないという噂を耳にした時には、まさに天まで舞い上がってしまいそうな様子だった。

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