現在F1で採用されているセミHCCIシステムは、非常にリーンな状態で大きな爆発を発生させるため、燃焼室へかかる負荷が通常のエンジンでは考えられないほど大きい。バーレーンGPでベッテルのパワーユニットに起きたのは、そのトラブルだったと考えられる。たとえ信頼性向上を目的とした改善だったとしても、FIAがトークンなしでICEを改良することを認めなかったのは、そういった事情があるためだ。

 それにしても昨年からセミHCCIシステムを採用しているフェラーリが、なぜ2年目の今季になってもトラブルに見舞われているのだろうか。おそらく、2014年から採用しているメルセデスのセミHCCIシステムは第2段階へと突入しており、フェラーリは今年ようやく第2段階へと進み出したばかりだからだ。メルセデスが第2段階へとステップアップしたのは、昨年のイタリアGPだと言われている。というのも、セミHCCIシステムで重要となってくるのが燃料とのマッチングで、メルセデスは昨年のイタリアGPからペトロナスの新しい燃料を使いはじめている。

 HCCIシステムの技術は現在のF1パワーユニットで最も重要なものだけに、どのマニュファクチャラーも、くわしいことは口にしていない。いまだ詳細は謎のままだ。ただし、ホンダをはじめ、ほとんどのマニュファクチャラーのエネルギー回生システムによるパワーが頭打ちの状態となりつつあり、各陣営がエンジン本体(ICE)へと開発の重心を移しているのは間違いない。

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