しかし、この技術は2000年代初頭から研究されているが、現時点ではどのメーカーも実用化できていない。それだけでなく、このシステムは現在のF1のレギュレーションでは認められていない。スパークプラグで着火すると規定されているためだ。そこでF1エンジンの技術者たちは、圧縮着火に、スパークプラグによる従来方式の着火を組み合わせたセミHCCIシステムを採用するようになった。

 このシステムを最初に開発したのが、2014年のメルセデスだと言われている。そのメルセデスから、ふたりのエンジニアを引き抜いたフェラーリが昨年から採用。ルノーは今年のカナダGPから採用すると囁かれ、ホンダも追随すると言われている。ただし、ホンダに関しては「すでに昨年からセミHCCIシステムを採用しており、あの独特の排気音になったのではないか」と指摘する関係者もいる。ホンダはセミHCCIシステムを採用しているかどうかについて明言を避けているが、「そのシステムの存在は認識している」(某関係者)と言う。

 すでに、フェラーリ(もしくはホンダ)がセミHCCIシステムを採用しているとしたら、なぜメルセデスに追いつけないのか。それは、セミHCCIシステムには燃料をより速くより低い温度で燃やし、熱エネルギーロスを抑えるというアドバンテージがあると同時に、大きな課題もあり、そのハードルをフェラーリ以下のメーカーが克服できていないのではないかと言われている。

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