ルーキーイヤーでの史上最年少表彰台を獲得するという息子の晴れ舞台を見た父親のローレンスは、セレモニーが終わって表彰台の下からウイリアムズのガレージに帰る途中、何度もウイリアムズのメカニックたちと抱き合って、喜びを分かち合っていた。それは息子のためにテストに協力してくれたことに対する感謝だったのかもしれない。

巨額の資金を投じて息子をサポートするローレンスのやり方に対しては、「お金でシートを買った」という批判も少なくない。しかし、風洞実験にしろ、シミュレーターにしろ、エンジンの開発にしろ、高度な技術を用いているF1で勝つために大金を費やしているのは、ストロール家だけではない。
「息子はまだ18歳だということを忘れないでほしい。さらにF1はまだこれが8戦目なんだ。しかも、レースではぶつけられたり、ブレーキトラブルにも見舞われた。序盤戦は実力を出せていなかっただけ。だから、落ち着いて行けと言ってやったよ」
「そしたらこれだ。本当にたまげた奴だよ。カナダGPの入賞と今回の表彰台で、とりあえず結果は出したが、これで安心してはいけない。F1はレースはスプリントだが、F1ドライバーとしての奴の人生は始まったばかり。マラソンのスタートを切ったようなもの。もっともっと上を目指してほしい」