■プレビューポイント(2)
フェラーリDNS(リタイア)は、昨年バーレーンGPのセバスチャン・ベッテルまでさかのぼる。パワーユニットのトラブルに見舞われ、予選4位ライコネンが2位まで挽回し、面目は保てた。だが、セパン週末に相次いだ2件の不具合はどうもメカニカルな構造的な原因ではなさそうだ(日曜時点)。“シンガポール全滅ショック”の影響か、チーム内にそういう戦意喪失ムードがはびこると、スクーデリアは過去にもあったがしぼんでいく。

それを懸命に鼓舞しようと、ベッテルは予選リタイア後もスタッフ全員と気丈に接した。それなのにスタート直前にライコネンにまた異常事態発生、大胆な想像になるが、ベッテルのパワーユニットの交換作業に追われて浮足立ち、それがライコネンに“飛び火”したのか?
SF70Hのポテンシャル性能は、メルセデスも警戒するほどまで上がっている。だが、こうした信頼性(クオリティコントロール)の確実さが劣勢に陥った今こそ求められる。もうフェラーリには後がない。

5位キミ・ライコネンは首位ハミルトンと143点差、残り5戦(満点125点)なので、ベッテルの完全アシスト役となる。セットアップもタイヤチェックもストラテジーもすべてベッテル最優先で進め、鈴鹿予選では“ハミルトン封じ込み”がライコネンの最大のミッションになるだろう。