今回「ハロ」を推すフェラーリからは妻を亡くして休暇をとっていたジェームス・アリソンが開幕戦以来、6戦ぶりに姿を見せた。おそらくTWGミーティングに出席するためだろう。また、レッドブルはチーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイが久しぶりにグランプリへ帯同しているが、チーム関係者によれば「エイドリアンは会議には興味がなく、チーフエンジニアリングオフィサーのロブ・マーシャルが出席する」という。
問題は、どちらを採用するにしても2017年に導入するには課題があることだ。たとえば「ハロ」は2009年ハンガリーGPでフェリペ・マッサの頭部を直撃したような小さなパーツまでは防御できない。一方「エアロ・スクリーン」は前車から排出されるオイルなどによってスクリーンが汚れた場合、どのように視界を確保するかが課題となっている。
もうひとつコクピット保護デバイスとしては「キャノピー」も検討されていたが、FIAのあるスタッフは「クローズドコクピットとなるキャノピーを採用することはない」と可能性を否定している。
いずれにしてもFIAのスタッフは「2017年に導入することを目指している」と明言。モナコGP初日に、側溝の蓋が舞い上がって、ジェンソン・バトンのマシンを直撃するという事故が発生したことも、導入を後押ししている。
モータースポーツは、いつ、どこで、どんな事故が発生するか、わからない。どんな結論が出るにせよ、政治的な駆け引きによって、議論が歪められないことを祈りたい。