きめ細かく、あらゆる部分を一新したフェラーリSF-16Hには「復興第2段階」の野心ありあり。空力、サスペンション、パワーユニットのレイアウトなど、すべてフルモデルチェンジ、いわば“脱アロンソ型”の新体制バージョン。2年目セバスチャン・ベッテルの要望を反映して、フロントの挙動がリニアな応答性に変わった。これはキミ・ライコネンのスタイルにもぴったりで、鋭敏なプルロッド式を絶ち切ったところに新体制の改革意識を感じる。だが、これほどアグレッシブに変えれば確認作業が必要。走行距離は6番目、1643kmも覚悟の上だ。総合1位ベッテル、3位ライコネン、セットアップ途中でタイムはまずまず。フェラーリは開幕までにパワーユニットのアップデート計画がある。次回テストでチェック、開幕本番さらにファインチューニングして臨む。彼らも王者同様に手の内をすべて見せてはいない。まとめると2強のテスト戦略は対照的、メルセデスは盤石な「保守路線」を強化、フェラーリは大胆な「革新路線」を採った。そこが面白い。

 もうひとつ、隠れた衝撃がある。“幻の最速”はフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグ。4日目の1分23秒110は総合2位、スーパーソフトで出した。ウルトラソフトを履けば平均値0.8秒アップ→1分22秒3前後と推定、ベッテルを超える。それをあえてやらずフェラーリに「華を持たせた」のは中間チームの政治的な配慮なのか? 2015年の後半から9戦連続入賞中のフォース・インディアをダークホースに挙げる。

 レッドブル/タグ・ホイヤーは俊敏なハンドリングと柔軟なドライバビリティを示した。ダニエル・リカルドの深いエイペックス・コーナリング、縁石走法から察知できる。“シャシー・サーキット”やウエットコンディションで真価を発揮する可能性あり。

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武井さらたけいさら
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