一発が速いだけではない。今年のハースはロングランも速く安定している。正確な燃料搭載量は不明だが、1回目のテストの最終日にソフトを履いて11周のロングランを行なったときのマグヌッセンのタイムは、2回目のテストの2日目にヒュルケンベルグがレースシミュレーションを行ったときの第3スティントのソフトタイムでの13周ランよりも速かった。

 このポテンシャルの高さに驚いたのは、ライバルたちだけではない。ハースと技術提携しているフェラーリも目を丸くした。ロングランのあと、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネがハースのモーターホームのドアを叩いたほどだった。

 気になるのは、昨年からブレーキに苦しんでいるグロージャンだ。この問題はまったく同じブレーキシステムを使用しているマグヌッセンには起きていないことから、ハードでももちろんソフト(制御)の問題でもない。あえていえば、ドライビングスタイルに起因する問題だ。

 グロージャンはビッグブレーキ派で、ブレーキを踏むとき、一気にガツンと踏むタイプだ。ところが、ピレリはマシンのデザインが大きく変わる昨年を迎えるにあたって、やや硬めのコンサバなコンパウンドを用意した。そのため、硬めのタイヤを装着したときや、路面のグリップ力が低いロシアGPなどでは、ピッグブレーキはロックしやすく、混乱してしまうのだ。

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