「正直言って、アップデート自体にはラップタイム的には0.1秒以下の効果しか期待してしなかったんだ。かなり上手く機能してくれているように感じられるけど、クルマに対する効果がいかほどだったのかはもう少し詳しく分析する必要があると思う」
「でもとにかく今回の好走の理由は、アップデートよりもむしろセットアップの方だよ。バルセロナでいろいろなことを試して発見していた興味深い方向性のセットアップを実際に使うことができて、それが上手く決まってかなり気持ち良く走れる状態だったんだ」
昨年からトロロッソが悩まされてきたリヤの不安定さは、STR13でかなり改善されていた。しかし中高速コーナーのエントリーからエイペックス、そして出口へと行くにしたがってマシンバランスが変わり、リヤのスタビリティが失われるような感覚残っていたとドライバーたちは言う。その問題点が新しいメカニカルセットアップによって大幅に改善され、ドライバーたちが攻めた走りをすることが可能になったとテクニカルディレクターのジェームス・キーは言う。
これによってガスリーは予選で完璧なアタックを何度も決め、中団トップの予選6番手という結果をもぎ取って見せた。メルボルンで『7番手』を争っていたトロロッソは、バーレーンでは『4番手』まで浮上してきたのだ。
「昨日のフリー走行が良かったからポテンシャルがあることは分かっていたけど、いつも他チームが金曜から土曜にかけて大きく前進してくるのは分かっていたから、トップ10に入るのはかなり難しいと思っていたんだ」
「予選ではできるだけその近くまでいければ良いなと思っていただけだよ。それがまさか予選6番手、5番グリッドからスタートなんて、本当に素晴らしい1日になったね。Q3最後のラップを終えた時点で『よし、自分の持てる力は全て出すことができた』と思えたんだ」
決勝でも序盤にハースのケビン・マグヌッセンに追い立てられる場面があったが、これはバーチャルセーフティカー(VSC)明けにすぐさま解除されたDRSを使って一気に迫られたもの。
それでもガスリーはターン11ではアグレッシブにラインを譲らずマグヌッセンを弾き出し、続くターン1では一度インに飛び込まれて抜かれたものの、それを予期してターン1を目一杯アウト側から立ち上がり重視でクリアしてターン2のアウト側に並びかけマグヌッセンを再び抜き去って見せた。
GP2のレースやテストで走り込んでおり勝手知ったるバーレーンで、ガスリーの走りは冴え渡っていた。
その後は徐々にハースやルノー、マクラーレンを引き離していき、戦略も完璧に決めた。ルノーPU勢が燃費に苦しんだのに対して集団の先頭を走り空気抵抗を浴びる不利な立場ながらガスリーは燃費もさほど問題にせずハースを10秒、ルノーとマクラーレンを20秒も引き離して4位でチェッカードフラッグを受けてみせた。