あのロマン・グロージャン事故に関して。スチュワードは『次戦3グリッド降格とペナルティ2点(現在5点)』を科した。いわば“高速渋滞中”の1~2コーナーのど真ん中を、左から右へ横切ろうとしたその行為が罰せられた。
ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーの2台しか、衝突しなかったのは奇跡に近い。アロンソが左アウト側に瞬間回避していなければ、数台以上の多重事故に陥りハロがあっても、どうなっていたことか。
直前でケビン・マグヌッセンが乱れ、とっさに反応したグロージャンがスピン状態になったところまでは“レーシング・アクシデント”。
しかし、直後のあのプレーは自分も被害を受けるリスクがあった。全員うまく避けてくれると彼は思ったのだろうか……。
レースに戻ろう。風も弱まり、雨雲も近寄らず、路面温度30度前後のコンディションは先頭を行くハミルトンにとって快適空間そのもの。パルクフェルメでの左後輪タイヤ交換を認められ、25周目にソフトから予定通りミディアムへ。
1ストップ・レースなど8年間ここではありえなかった。それくらい今年のスペインGPはなにもかもが目新しかった。最後に加えると、ダニエル・リカルドの最速ラップ1分18秒441は昨年PPを超えて実に5.152秒も更新。凄まじい“超速化”を表す――。