ライコネンが鈴鹿で勝ったのは、これまでで1回だけ。マクラーレン時代、2005年の日本GPだった。しかしこの唯一の勝利は、日本GP史上に残る大逆転劇、そしてこれまで挙げた20勝の中で、ライコネン自身がベストと評するレースだった。

 この年のライコネンはルノーのフェルナンド・アロンソとタイトルを争う速さを見せながらも、メルセデスエンジンの信頼性不足に悩まされていた。日本GPでも初日フリー走行でトラブルが発生し、エンジン交換を強いられる。これで10グリッド降格ペナルティを受け、さらに雨の予選では出走タイミングに恵まれず、タイム更新できずに終わった。こうして決勝レースは、17番手からスタートすることに。

2005年F1日本GPで予選17番手から大逆転勝利を飾ったキミ・ライコネン

2005年F1日本GPで予選17番手から大逆転勝利を飾ったキミ・ライコネン

 ところが抜きにくいはずの鈴鹿で、ライコネンはミハエル・シューマッハーを始め次々に先行車をパスして行き、終盤にはついにトップに立った。しかしピットインの間に、ルノーのジャンカルロ・フィジケラに逆転を許してしまう。

 だがそこからの猛攻が、凄かった。ニュータイヤとはいえ、ジャンカルロ・フィジケラより1周2秒速いペースで猛追し、ラスト3周でついに追いついた。そして最終ラップのメインストレートでスリップにつき、1コーナーでアウト側から抜き去って行ったのだった。

 2018年シーズンのフェラーリは、純粋なマシン性能ではもはやメルセデスをしのいでいることは間違いない。しかもフェラーリSF71Hは、ライコネンのドライビングに合っている。つまりライコネンは最強かつ自信を持ってプッシュできるマシンで、フェラーリ最後の鈴鹿に臨むということだ。

 さらにいえばザウバーへの移籍が決まった今、今まで何度も見られた理不尽ともいえるチームオーダーに、もはやライコネンは従う気はないかもしれない。ガチンコ勝負でライコネンが、どんな戦いを繰り広げるのか。想像するだけでも、ワクワクしてくるのではないだろうか。

キミ・ライコネン

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