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F1 ニュース

投稿日: 2018.11.20 16:34

パワーだけでなく総合的なセッティングも不十分だったブラジルGP。敗因を分析し最終戦で挽回を【トロロッソ・ホンダF1コラム】

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F1 | パワーだけでなく総合的なセッティングも不十分だったブラジルGP。敗因を分析し最終戦で挽回を【トロロッソ・ホンダF1コラム】

 予選ではフォース・インディアを上回ったが、タイヤマネージメントでは負けた。その理由もパワーユニットの不利にあるのではないかとガスリーは言う。

「GPSのデータを見ても、ザウバーはストレートが速いんだ。コーナーではだいたいどこでも僕らの方が速いのに、ストレートでは僕らよりも格段に速い。依然としてパワーの差があって、実際に僕らもダウンフォースを削ってはみたけどコーナーでマシンがスライドしてデグラデーションが大きくなってしまった」

「エンジンパワーでアドバンテージがあれば、ストレートでタイムを稼いでコーナーを少し抑えて走ることができるし、そうすればタイヤに入るエネルギーを小さくすることができてタイヤの発熱を抑えることができる。彼らはストレートがすごく速くてコーナーは遅くて、ラップタイムは同じでもタイヤに掛かる負荷は小さい。長いスティントになればその差はとても大きくなる」

 しかしルノー製パワーユニットを使いながらも圧倒的なタイヤマネージメントとレースペースを誇るレッドブルの快走を見れば、パワー差だけが全てではないと言わざるを得ないだろう。これまでにレースペースの良さで何度も挽回してきたトロロッソ・ホンダのレースは何だったのかという話にもなる。

2018年F1第20戦ブラジルGP ピエール・ガスリー
2018年F1第20戦ブラジルGP ピエール・ガスリー

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは失望のブラジルGPをこう総括した。

「ガスリーは予選でQ3まで入ることができましたけど、レースではそこを守り切れずに前にも結構離されてしまいましたし、ロングランペースが良くなかったことが今日のレースの全てではないかと思います。とにかくレースペースが悪すぎました」

「タイヤにブリスターが結構出ていたのでそれはなぜかという話もありますし、今日温度が高くなると予想されてはいたもののバイブレーションが出るほどブリスターが出てしまいましたし、それをどうマネージすれば良かったのか。チームとして車体のエアロのセッティング、燃料搭載量、タイヤマネージメントを、何がどうしてどう良くなかったからこうなってしまったのか、ということをきっちりと分析していかなければなりません」

 重要なのは犯人捜しではなく、なぜ遅かったのかという事実を究明し、それを改善することだ。ダウンフォース不足やパワー不足が原因なら、すぐに直すことは難しいのだから2019年に向けた糧とする。セットアップに原因があったのなら、二度とその過ちを犯さないように教訓とする。それが今のトロロッソ・ホンダに求められていることだ。

 ザウバーと9ポイント差のコンストラクターズランキング8位争いもまだ諦めてはいない。

「最後はきっちりしたかたちで1年を締めくくりたいと思っています。アブダビGPで中団上位でフィニッシュできればまだ可能性はありますから、最後まで諦めずに戦います」

 泣いても笑っても2018年のトロロッソ・ホンダの戦いは残すところ1戦のみ。ブラジルの敗因を徹底的に究明し、アブダビで持てる力の全てを引き出して結果へと繋げなければならない。


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