アロンソが下したキャリアに関する決断は、しばしば批判されるが、それによって彼がどうなったかが判明した後で非難するのは簡単だ。実際には、彼を大きな成功から遠ざけたのはわずか11ポイントに過ぎない(アロンソは、2007年には1点差、2010年には4点差、2012年には3点差でタイトルを逃している)。あと数ポイントあれば、アロンソは2007年にマクラーレンで3度のチャンピオンとなり、フェラーリで5度目の王座に就いていた。その輝かしい成功を阻んだのはわずか11ポイントだったのだ。

 しかしアロンソが3度目以降のタイトルを獲得していたとしても、それによって彼が歴史に残す遺産がより大きなものになったとは限らない。アロンソが2010年から2013年にレッドブルで走り、セバスチャン・ベッテルのように4年連続でチャンピオンになったとして、それが彼のドライバーとしての評価を高めただろうか?

 この数年は、無線での愚痴やメディアに対する奇妙な発言ばかりが大きく取り上げられがちだったが、アロンソがキャリアの初期に達成した偉業を忘れるべきではない。下位を走り続けたことで、彼がどれだけ素晴らしいドライバーだったか、いや、今もどれだけ素晴らしいドライバーであるかを見過ごしてはならないと思う。

 記録上、アロンソはF1で32勝を挙げ、タイトルを2回獲得したドライバーというポジションにとどまった。その数字は彼の才能にふさわしいものではない。彼はもっと大きな成功を収めるべき存在だった。だが、それができなかったからといって、彼の偉大さが損なわれることは断じてない。

2018年F1第5戦スペインGP フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)とカルロス・サインツJr.(ルノー)

■著者:クリス・メッドランド。イギリス出身のF1ジャーナリスト。ESPN、Crash.net、F1iなどを経て、現在RACERと契約。BBCやSky Sportsなどの仕事も行っている。

本日のレースクイーン

松原杏佳まつばらきょうか
2026年 / スーパーGT
レーシングミクサポーターズ
  • auto sport ch by autosport web

    20歳でスーパーGTの最高峰に挑む“新人”小林利徠斗に迫った『FORMATION LAP』2026年第1弾が6月5日に公開

    ふつうとちょっとズレてる──20歳で最高峰に挑む新人ドライバー【FORMATION LAP Produced by auto sport】2026 Episode 1

  • auto sport

    auto sport 2026年8月号 No.1622

    [特集]│多│角│検│証│
    なぜ、日本人はF1で勝てないのか?
    いつか夢を実現するために過去から学ぶ

  • asweb shop

    掘り出し物満載の特別企画『モデルカー祭り!』がautosport web shopで開催中。6月25日まで

    レア物や特別価格商品が満載!
    6月25日まで