マクラーレンからの最初の離脱が、後のアロンソのキャリアに大きく影響したことは間違いないだろう。メルセデスとレッドブルのシートに空きは出ず、加入したフェラーリでは期待したような成功を収めることができなかった。

 当時、アロンソとフェラーリは理想の組み合わせに見えた。この時のアロンソは正しいタイミングで正しい場所に動いたように思われたのだ。2009年、フェラーリは低迷したが、2010年にはアロンソとともにタイトルを獲得できたはずだった。結局は最終戦アブダビでの戦略ミスによってチャンスを逃したが、いずれ王座に就くことは確実に思えた。

 F1での戦いにおいてドライバーが左右できる割合は小さい。結局は、与えられたマシンのパフォーマンスが物を言うのだ。しかし、レッドブルが優勢を誇った時代に、驚くべきことに、アロンソは彼らを苦しめてみせた。F1の歴史のなかでひとりのドライバーが完璧なシーズンを戦った、最も顕著な例が2012年のアロンソだったといえる。

2012年 フェルナンド・アロンソ

 その年のマシンのパフォーマンスを考えれば、アロンソがタイトルを獲得できる可能性はほとんどなかったが、彼はすべてのチャンスをほぼ最大限に生かしてライバルに詰め寄り、3ポイント差のランキング2位でシーズンを終えた。そしてその後、アロンソは2015年にマクラーレン・ホンダのプロジェクトに加わるというギャンブルをした。フェラーリではもうこれ以上のことはできないと判断したのだ。それは責められることではないだろう。

■5度の王座獲得を阻んだのはわずか11ポイントだった

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