──セバスチャンに質問ですが、あなたにタイトルを取らせたいというチームの基本方針からすれば、今回の戦略は十分にそれに沿ったものと言えたでしょう。しかし今後は、レースの状況次第では、ナンバー1の待遇も変わりうるのではないか。一方であなた自身は、ずっとチームからのサポートを受ける必要があると考えていますか?
セバスチャン・ベッテル(以下、ベッテル):さあね。ルイス(ハミルトン)にでも、訊いてみた方がいいんじゃないかな。メルセデスとフェラーリでは状況は違うけど、彼らもこれまで何度も似たような局面に遭遇しているからね。
でも確かなのは僕らは、チームにとって何が最善かを考えて行動しているということだ。2週間前のバーレーンでは明らかにシャルルの方が速かったので、彼が先行するのが順当だったし、それも簡単にできた。その週末の状況によって、すべては変わりうるということさ。
──ビノット代表、レース序盤でのチームオーダー発令は難しい決断でしたか。そしてシャルル、それを簡単に受け入れることができたのでしょうか。
ビノット代表:序盤かどうかにかかわらず、ドライバーというのは戦うためにコース上を走っている。それを十分理解しているからこそ、チームオーダーを出すのは常に難しいものだ。しかしシャルルはチームのことを考えて、それを受け入れてくれた。そして改めて繰り返すが、これは正しい決断だったと信じている。
ルクレール:クルマと格闘し続けて、ずっとフラストレーションを抱えていた。一方でレース全体がどんな風に進んでいるかを、ドライバー個人は俯瞰できない。それもあって、チームの決断に従った。
──開幕3戦すべてで1-2フィニッシュを決められ、メルセデスにはすっかり離されてしまいました。今後、追い付けるメドはあるのでしょうか。
ベッテル:確かに今の状態は、喜ぶべき状況じゃない。でもまだシーズンは始まったばかりだし、膨大な選択肢の中から何が正しく、何が間違っているかを的確に判断して、進んで行くだけだ。
もちろんそれが、簡単なことじゃないのはわかっているけどね。戦闘力で大きな差はないはずなのに、なぜこれほどのポイント差を付けられてしまったのか。その原因をしっかり究明する必要がある。でも今後の戦いに向けては、決して悲観的になっていないよ。
司会:もうちょっと前向きな質問をしてくれませんか。
(一同笑)
