1983年に始まったホンダ第二期F1活動は、ウイリアムズやロータスやマクラーレンといったイギリスの強豪チームにエンジンを供給する形で行なわれた。1000馬力を優に超すV6ターボエンジン全盛期に登場し、1986~1987年とウイリアムズがコンストラクターズ・チャンピオンに輝き、1988~1991年はマクラーレンがタイトルを引き継ぎ、ホンダエンジン搭載車が6年連続でチャンピオンとなった。
F1GPにはエンジン選手権は存在しないので、エンジン供給メーカーはいかに強力なコンストラクター(≒チーム)と組めるかが重要になる。そしてホンダは1992年末に活動休止した。
その後、ホンダの関連会社である『無限』がF1活動を続けたが、再度ホンダとしてF1GP復帰を果たしたのは、新興チームのBARと組んだ2000年から。2006年には同陣営を引き取って『ホンダ』としての活動に改まるが、世界的な金融危機リーマンショックのあおりを受けて2008年末に再度活動休止。

第三期活動中での勝利は2006年ハンガリーGP優勝(ジェンソン・バトン)のみにとどまった。そしてF1技術規定が大変革された2014年以降、従来のエンジンと回生エネルギーシステムを併用するハイブリッド新時代到来となるや、ホンダも一年遅れで参入。2015年~2017年はマクラーレンとタッグを組み苦戦したものの、2018年はトロロッソ、そして今年はレッドブルとタッグを組みタイトル争いを目指しているところだ。メルセデス、フェラーリ、ルノーという強豪を相手に、ホンダの真価がいよいよ問われることになる。
ホンダ・エンジン車によるF1GP勝利はこれまでに72勝、ポールポジション(予選1位)は77回。これらの数字がまた増え始めるのは、それほど遠い将来ではなさそうだ。もし4台のホンダ・エンジン車が決勝レースの上位4位までを独占したら、それは1987年イギリスGP以来のこととなる。いつやってくるだろう。
