この決定を下した背景に何があったのかをレッドブルは明かさないが、似たような状況は、今年のモナコGPでもあった。メルセデスがふたりのドライバーでメニューを分けてミディアムとハードのロングランを行ったのに対して、レッドブル・ホンダはふたりそろってミディアムでロングランしていた。
モナコGPではハードのロングランデータを過信したメルセデスがレースで失速して、ミディアムのフェルスタッペンの猛追を受けたが、メキシコGPではハードのロングランが勝利に大きく貢献する結果となった。
さらにメルセデスはレース中、「ハードタイヤを履いてスタートしたダニエル・リカルド(ルノー)と5周目からハードに履き替えたフェルスタッペンのペースをモニタリング」(トト・ウォルフ代表)し、盤石の体制で1ストップ作戦を遂行した。
これに対して、レッドブル・ホンダは期せずしてフェルスタッペンがハードを履くことになり、自チームに絶好となるハードタイヤの走行データを取得しながらも、序盤3番手を走行していたアレクサンダー・アルボンに対して、1ストップに作戦を変更させることなく、2ストップのままでレースを進行させた。
この背景として考えられるのは、フリー走行2回目でアルボンがクラッシュして、ロングランをまったく行っていなかったことである。アルボンはメキシコGPが今回初参戦。ハードタイヤだけでなく、ミディアムでもロングランをしていなければ、ミディアム→ハードへの1ストップはあまりにもリスキーだったと考えざるを得ない。
フェラーリもフリー走行2回目ではハードでのロングランをしていなかったが、ふたりのドライバーはどちらもクラッシュすることなく、ミディアムのロングランをしていたため、状況に応じてセバスチャン・ベッテルをミディアムでステイアウトさせることができた。
1年目のルーキーを持つレッドブル・ホンダにとって、フライアウェイ・ラウンドは、メルセデス、フェラーリに比べると、目に見えないハンディキャップがあることが明確に炙り出されたメキシコGPとなってしまった。
