フェルスタッペン:なんでこんな問題が起きるんだ!?
レッドブル:LECとの争いだ、今は落ち着いて走れ。
パワーユニットの制御ソフトウェアに問題が生じており、ホンダはパワーユニットのセッティング変更をフェルスタッペンに指示し、その反応によって問題を把握しながら次善策を模索していった。
レッドブル:エンジン11ポジション11。LECはフリーエアで43.1。左リヤタイヤだけ注意しろ、まだスティントの序盤だ。
フェルスタッペン:まだすごくプアだよ。
レッドブル:エンジン11ポジション4、悪くなるかどうかトライしてみてくれ。
フェルスタッペン:ピットストップの後におかしくなった。どうなってるんだ? 今のところこれがベストな妥協策だ。
フェルスタッペンはフィーリングの違和感を訴えながらもペースは落とさず、13周もフレッシュなタイヤのアドバンテージを生かして前のルクレールとのギャップをじわじわと縮めていった。そして32周目のバックストレートで追い付き、DRSを使って一気にパスして2位を奪い返して見せた。
レッドブル:よくやった。まずはLECをDRS圏内からクリアしよう。セクター3では0.8秒速く走れている。モード7。
フェルスタッペン:スロットルの開け始めですごいラグだよ。エンジンの問題をなんとかしてくれ、とても走りづらい。
レッドブル:今はどうすることもできない。でも君のペースは充分速いぞ。
ルクレールとのギャップはどんどん広がっていき、ヤス・マリーナ・サーキットで唯一の高速コーナーであるターン2~3でリフトオフしタイヤへの負荷を抑えるドライビングに徹する余裕もできた。
レッドブル:後ろとのギャップはすでに2秒になった。なのでターン3のタイヤマネジメントを再開してくれ。
しかし首位ハミルトンとはすでに15秒のギャップが広がっており、レッドブル・ホンダはここで2位確保のレースに完全に切り替えることを決めた。
パワーユニットのラグ問題は解決が難しく、だましだまし走るしかない。
レッドブル:HAM(ハミルトン)は41.8、我々は42.2。このペースを維持してくれ。LECとのギャップはもう5秒になろうとしている。
フェルスタッペン:OK、いたわって走るよ。
レッドブル:燃費は大丈夫だ、タイヤのためだけリフトオフしてくれ。エンジン11ポジション13、小さな変更だ。
フェルスタッペン:ブレーキは安定したけどスロットルのラグはすごく大きいよ。
レッドブル:どちらの妥協策の方が良い?
フェルスタッペン:こっちだ。