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F1 ニュース

投稿日: 2020.05.01 07:39
更新日: 2020.05.01 07:43

F1名ドライバー列伝(1)アイルトン・セナ:王者プロストを青ざめさせた予選ラップ

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F1 | F1名ドライバー列伝(1)アイルトン・セナ:王者プロストを青ざめさせた予選ラップ

 セナは、スピリチュアルな世界を持った人物で、精神集中をすることで、通常の意識から脱し、特別な境地に入ることができると考えていた。そうして自分がしていることを意識しないまま周回を重ね、ラップを走り終わると、無意識の世界から抜け出し、減速してピットに戻るというのだ。

 そんなセナが、モナコの決勝日、圧倒的速さでトップを快走している時にクラッシュを喫し、レースを落とした。

 この出来事を見て、セナもひとりの人間なのだということを、プロストは知り、安堵したのではないだろうか。同時にセナ自身も、それを思い知ったはずだ。

 予選で無意識の境地に入ることができたのは、彼がマシンと一体になる力、マシンの力を最大限に引き出せる力を持っていたからだろう。

 セナは、なぜ可能なのか他の人々には理解できないレベルにまで、自分の限界を押し広げることができた。彼自身、自分がなぜそこまで限界に迫れるのか分からないときがあったという。

 最強チームに加入するやいなや、セナは当時最も優れているとみなされていたドライバーよりもはるかに速く走れる力があることを示した。一方で彼には非常にもろい部分があった。そこが人の心をとらえて離さない。

 セナは、F1キャリアのなかで、ワールドチャンピオンシップを3回、優勝を41回、ポールポジションを65回獲得した、非常に優れたドライバーだった。その上、ファンを強く引き付けるようなオーラを備えた人物でもあった。複雑な魅力を持ち、目を離すことができないような個性を持っていたセナに、世界中のファンは永遠に魅了され続けるだろう。

■1988年F1モナコGP セナのポールポジションラップ


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