──去年の予選タイムを比較すると、メルセデスは約コンマ3秒縮めてきたのに対し、レッドブルはほぼ同じです。相対的に、メルセデスとの差が広がってしまったということなのでしょうか。
田辺TD:あくまで今日の予選時点でということですが、パッケージの差が見えたということですね。
──冬のバルセロナテストでの結果からして、今日のメルセデスの速さは意外でしたか?
田辺TD:ある意味、意外であり、意外ではなかった。
ーといいますと?
田辺TD:彼らが絶え間ない開発を続けることは、当然予想できていました。それにしても、すでにあそこまで完成したクルマを、さらに伸ばしてきた。そこは、意外でした。バルセロナからここまで、どこまで伸ばすのかと思っていたのですが、しっかり速くしてきた。
それと同時に、メルセデスだからこそできたことだという意味では、『やっぱりな』という思いもあります。やっぱりなという思いが、当たらなければよかったのですけどね。彼らとわれわれの伸び代の差が、今日のコンマ5秒という結果になって表れたということです。
──このサーキットでのコンマ5秒は、かなり大きいですよね。
田辺TD:大きいですねえ。
──もうひとつのライバルであるフェラーリの今日のパフォーマンスと、中団勢のマクラーレンとレーシングポイントの速さに関しては、どんな印象を持ってますか。
田辺TD:中団2チームのパフォーマンスの向上は、素晴らしいと思います。アルファタウリにとっては直接の敵になるわけで、その意味では厳しいですね。レッドブルにしても、決して安泰ではない。アルボンも、今日は抜かれましたしね。
一方のフェラーリに関しては、もう少し様子を見る必要があると思います。たまたまなのか、そういうパッケージなのか。ただ明らかに速さを増してるチームに関しては、そこにまぐれはない。初日からの速さの築き方を見てると、たまたまの速さではない。たまたま外した、というのはありますけどね。ただし王者は、外さない。その点フェラーリは、ちょっと浮き沈みが激しいですね。