■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
決勝1周目はとてもうまくいった。小雨が降る難しいコンディションで、ソフトタイヤスタートのマシンが有利になった。それでもトップに立つことができたので、展開に満足していたんだ。でもその後は、正直言ってペースがよくなかった。理由は分からないが、とにかくペースが悪かった。ルイスが後ろから近づいてきた時には、もちろんポジションを守ろうとしたが、やれることは何もなかった。繰り返しになるが、今日になってペースがどこに消えてしまったのか、さっぱり分からない。必死にプッシュしたけれど、それ以上速く走れなかった。
レース終盤、ファーストスティントをもう少し延ばして最後にソフトタイヤを履いて戦いたいと思ったが、そうしたとしても結果は変わらなかっただろう。僕にとっては厳しい結果だ。でも、チームと協力し合って、ペースがなくなった理由を理解し、次のイモラではもっといいレースをしたいと思っている。
(最後にソフトタイヤを希望したがチームがハードを選んだことについて聞かれ)僕にとってソフトタイヤを履くのが一番いいと思って頼んだ。でも、バイブレーションが出始めていたし、タイヤトラブルのリスクがあるので、ポイントのことを考えると、一番安全なのはハードでいくことだった。基本的に僕にとって一番問題だったのは、ペースがなかったことだ。
■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=優勝
まず最初に言いたいのは、僕が92勝を挙げることができたのは、サーキットに来ているチームとファクトリーで働く人々全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげ、ということだ。彼らは革新し続け、毎年高くなる障壁に立ち向かっている。彼らと働けることは大きな特権であり、僕はすべての瞬間を感謝の気持ちを持って過ごしている。
メルセデスチーム、ペトロナス、その他のすべてのパートナーが努力し続けているおかげで、信じられないほどの信頼性が達成されている。成功を収めたことで安閑としている者はひとりもいない。全員がひたすら努力し続けているんだ。そういう人々が周囲にいてくれることほど素晴らしいことはない。僕を奮起させてくれるコラボレーションであり、こういうものは他にはあり得ない。
今日はきつい一日だった。タイヤの温度を適切に保つことがすべてだった。でも、それについてはあらかじめセットアップで備えておくことができた。
雨が降るのはレースが終わった後だという予報が出ていたが、スタートの時点で小雨がぱらぱら降っていて、ターン7の入口でオーバーステアがでてしまった。次に何が起こるのか全く予想できない状況だったよ。それでペースを大幅に落とした。バルテリに抵抗すべきだったのかもしれないが、「後で抜き返すチャンスがある」と自分に言い聞かせた。幸いそれが可能になったよね。
F1は身体への負担がとても高いスポーツだ。右ふくらはぎがつってしまい、ひどくならないようにストレートで頻繁にアクセルを緩めなければならなかった。すごく痛かったけど、なんとか乗り越えるしかなかった。1周まるまるアクセルを緩めて走ることはできないからね!
今の自分は夢のなかでしか考えられなかったところにいる。このチームに加入し、この素晴らしい人たちと手を結ぶことを選んだ時、占いの水晶球を持っていたわけではない。今言えるのは、毎日その日一日ベストを尽くすことを心掛けているということだけだ。僕らは何事も協力して立ち向かい、全員が同じ方向に突き進んでいる。だからこそ、僕らが成し遂げた成功が可能になったんだ。
今日父がここに来てくれて本当にうれしい。継母のリンダも、(愛犬)ロスコーもここにいる。とても幸せな気分だよ。このことを実感するには少し時間がかかるだろう。フィニッシュラインを越えるまで全力でプッシュしていたから、今もまだレースモードのままなんだ。今の心境を表す言葉が見つからない。
