3日間を通してみると、シューマッハーよりもマゼピンの方がスムーズに事が進んだといえるだろう。マゼピンは、トラブルで走行を長時間中断するようなことはなかった。

 ただし、コース上であわやアクシデントという場面はあった。2日目、マゼピンはレースランを行いながら、学習を積んでいた。アントニオ・ジョビナッツィがターン1でマゼピンをオーバーテイクした時のことだ。マゼピンは他のマシンの後ろでダーティエアの中を走るとどういう感じになるのか知ろうとして、ジョビナッツィにぴったりついていった。

2021年F1プレシーズンテスト ニキータ・マゼピン(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト ニキータ・マゼピン(ハース)

「(テストでは)走行時間が限られている。バーレーンGP決勝スタートで僕はたくさんのマシンの後ろを走ることになるだろうから、どれぐらいダウンフォースが抜けるのかを経験したかった」とマゼピンは語った。

「それを経験するためにやったんだ。もうちょっとでクラッシュするところだったよ。突然大きな風に見舞われてね。少し心配な瞬間だったが、やってみてよかったと思う」

 それもすべて学習の過程だが、もし本当にクラッシュしていたら、チーム代表ギュンター・シュタイナーの不興を買うことになっただろう。だがマゼピンは一度も接触などを起こすことなく200周以上を走り切った。シューマッハーも180周以上を走り、シュタイナーは新人ふたりのテストでの仕事ぶりを高く評価している。

2021年F1プレシーズンテスト ニキータ・マゼピン(ハース)
2021年F1プレシーズンテスト ニキータ・マゼピン(ハース)

「ルーキーふたりを走らせたわけだが、それによる大きな影響はなかった。もっと大きな影響が出るものと予想していた」とシュタイナーは語った。

「たくさんの問題が発生すると思っていたが、ふたりはしっかり準備を整えてくれたし、フィードバックも優れていた。何か問題が発生したり、小さなミスがもっとたくさん出るだろうという予想に反して、彼らはしっかりと宿題をこなした」

 ハースのマシンは開幕戦では最も遅いグループに入るかもしれない。だがドライバーふたりは プレシーズンテストを最大限に活用し、F1キャリアを力強い形でスタートさせたといっていいだろう。

本日のレースクイーン

奥西はつみおくにしはつみ
2025年 / スーパー耐久
AutoLabo Lady
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円