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F1 ニュース

投稿日: 2021.06.12 08:00
更新日: 2021.06.12 19:06

【F1第6戦無線レビュー(1)】「なんで彼らはあんなに前なんだ?」ハミルトン、タイヤ交換後にライバルとの差に愕然

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F1 | 【F1第6戦無線レビュー(1)】「なんで彼らはあんなに前なんだ?」ハミルトン、タイヤ交換後にライバルとの差に愕然

 11周目、暫定首位のハミルトンがピットイン。次周にフェルスタッペン、2周後にペレスが次々に後を追った。首位からの3番手への後退は覚悟していただろうが、コース復帰後の彼我の差に明らかにショックを受けていた。

ハミルトン:なんで敵は、あんなに前なんだ?
ボニントン:ピットが長かったんだ

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ピットレーンの混雑でタイヤ交換に4秒6を費やしたこと、そしてピット前のラップタイムもレッドブル2台に比べペースが落ちていた。そしてチームメイトのボッタスも、苦しい戦いを強いられていた。22周目の時点で10番手。トップ争いにまったく絡めず、ハミルトンの援護射撃ができない。一方フェルスタッペンとペレスは、1-2体制を築いている。ここでも去年までのレッドブル・ホンダとの立場が、完全に逆転していた。

 ここで担当エンジニアのリカルド・モスコー二から、こんな無線が飛んだ。

モスコーニ:P5を狙えるぞ

 確かに6番手ルクレールから10番手ボッタスまでは、ほぼ団子状態だった。しかしハードタイヤスタートの5番手ランス・ストロール(アストンマーティン)がピットインして順位を落としても、ランド・ノリス(マクラーレン)、角田、ベッテル、ルクレールを抜かなければ5番手には届かない。無理を承知で、ボッタスを励ましたということだろう。

 だがその後のボッタスはペースが伸びず、すぐ前のノリスさえ抜きあぐねた。これにはモスコーニも、こう言わざるをえなかった。

モスコーニ:ベストでも9位か10位だ

 結果的にボッタスは、12位完走が精一杯だった。一方、追われる立場のノリスも、表彰台に上った前戦モナコほどの勢いはない。ハードタイヤのペースも今ひとつだったノリスは、グレイニングを気にしていた。すると担当エンジニアのウィル・ジョセフは、やはりタイヤに苦しんだ第3戦ポルトガルGPと同様、今井弘エンジニアの名前を出してノリスを励ました。

ジョセフ:ヒロシが(グレイニングは)消えるから大丈夫と言っているぞ

ランド・ノリス(マクラーレン)&バルテリ・ボッタス(メルセデス)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ランド・ノリス(マクラーレン)&バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 後半30周目、スタートからノンストップで4番手まで順位を上げていたストロールが、突然のタイヤバーストで壁に激突。リタイアを喫した。

ストロール:わお、何てことだ……。パンクだ……。ピットに戻るよ
ジョイス:ダメだ、ランス。エンジンを切れ。エンジンオフだ

マシンが大破していながら、ピットに戻ると主張する無念のストロール。これが大波乱の幕開けだった。

ランス・ストロール(アストンマーティン)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP クラッシュしたランス・ストロール(アストンマーティン)のマシン

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(2)に続く


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