そこで考えられるのは、チームが角田の精神状態を考え、あえてその件を伏せていたのではないかということだ。

 角田にペナルティが科せられたのは、21周目。ピットアウトして前を追う角田の前には、1ストップでやや遅いペースでレースをしていたマシンが続々と現れていたときだった。チームは角田がカッとなりやすい性格だということを知っている。そんなときに、ペナルティの件を伝えたら、レースに集中できなくなったり、あるいは5秒を挽回して、無用なリスクを犯すのではと考えたのではないか。

 実際、無線を聞いていても、ピットインした角田に「5秒ペナルティ」としか告げていない。これは、ピットインしても、最初の5秒間はなにもしないで静止しているだけだ、ということを知らせるものであって、白線をまたがないよう注意しろというもので伝えられたのではない。

 その後、ピットレーンを走行する角田が「なんで?」と問うと、チームは「白線をまたいだからだ」と告げている。したがって、角田はペナルティを受けたことを知らないまま、1回目と同じように2回目のピットインを行ったため、同じミスを繰り返したのではないかと考えられる。

 レース後、角田と筆者のやりとりでも、角田はこう語っていた。

筆者:白線をまたいでいたことはわかっていましたか?
角田:わかっていなかったです

 ただし、たとえチームにコミュニケーションという点で問題があったとしても、1回目の白線をまたいだペナルティはドライバー、つまり角田が負うべきペナルティである。というのも、白線をまたいではならないことは、注意されなくともドライバーが自覚していなければならない最低限のルールだからだ。

 今回のレース後のインタビューは、筆者との日本語だけでなく、その後の英語も、これまでで最も短いやりとりに終わっており、海外の記者も「こんなに落胆した角田を見たのは初めてだ」というほどだった。確かに、今回のミスはトップドライバーを目指すのなら、やってはいけないケアレスミス。ただし、気をつければ防げる類のもので、それほど心配はいらないと海外の記者たちも口にしているほど、深刻なものではないことも事実。反省すべきことは反省し、気持ちを切り替えて、次戦イギリスGPに臨んでほしい。

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2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP木曜日 サーキットウォークでチームスタッフとともにターン9を歩く角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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