「問題となるサスペンション装置は、可動式のスプリングシートを備えており、ホイール、タイヤから入力された荷重とエネルギーを利用してサードエレメントの位置を入れ替えることができるのだ。そこで我々はこのサスペンションシステムが本来の目的に沿ったものであるかどうか、そしてこのシステムが空力性能の補助とならずに合法的かどうかの質問状をFIAに送ることにしたのだ」
そして、このフェラーリの質問について、F1ディレクターのホワイティングは現在のサスペンションシステムは規制に準拠していないと答ええた。
「我々の見解では、(フェラーリが提出した)路面から受けたエネルギーを変換することがサスペンションシステムは、F1技術規則第3条15項に反する可能性が高い」とホワイティングは記している。
ホワイティングの対応はトリックサスペンションとよばれる現在のサスペンションシステムの使用を禁止するようだが、このフェラーリとFIAのやりとりについて、各チームは現在のサスペンションシステムが疑義のまっただ中にあることは承知している。
この疑義が続く中、ルール違反と解釈される可能性のあるこのサスペンションシステムを搭載するチームは、2017年型マシンの設計でそのデバイスを搭載するかどうかの決断が迫られる。
現在進行中のコンセプトを禁止する最終判決を下すか、はたまた競争力の落ちる代替サスペンションシステムを追求する決断をするか、どちらにしても大きなリスクを背負うことになる。