アゼルバイジャンGPのセットアップは、ほかのグランプリとは少し異なるやり方で進められる。1周を速く走らせるためにマシンを最適にする調整を行うのが通常のセッティングだが、アゼルバイジャンGPでは直接のライバルとなるチームのダウンフォースレベルを見て、それに合わせた空力パッケージでいかにライバルよりも速く走るかが重要となる。

 その理由はアゼルバイジャンGPの舞台となるバクー・シティ・サーキットには、セクター3に非常に長い全開区間があるからだ。ラップタイムだけを考えれば、セクター1とセクター2をいかに速く走るかが重要となるが、そのためにはある程度ダウンフォースをつけたほうが速く走ることができる。しかしセクター3の全開区間で簡単にオーバーテイクを許してしまい、レースでは戦いにならない。したがって、アゼルバイジャンGPではレースで直接のライバルとなるチームの空力仕様を観察しつつ、セッションごとに変更してくるチームが少なくない。

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