ただし、マクラーレン・ホンダが「勝つ準備ができていない」理由は、何もホンダにだけあるのではない。ブーリエが言う「マクラーレンはいつでも勝つ準備はできている」という言葉を会見場にいた何人が信じて聞いていただろうか。というのも、昨年の日本GPではS字でダウンフォースが抜け、アクセルが踏めないという悪癖が、MCL32になっても治っていないからである。
多くのドライバーがダウンフォースの増加とタイヤのワイド化によってカタロニア・サーキットの3コーナーは全開で走り抜けていく中、MCL32を駆るアロンソとバンドーンはコーナーの進入でふらつき、アクセルを戻していた。
また、1回目のテストでは、こんなこともあった。初日からマクラーレンのマシンのサイドポンツーンに長方形の穴が空いていたのである。あとで確認すると、「気温が予想していたよりも高くなって、ルーバーをはめ込むための穴を急きょ開けた」のだという。つまり、マクラーレンは1回目のテストでルーバーを持ってきていなかったのである。レッドブルやフェラーリはしっかりとルーバーを使用していた。
いまのマクラーレンは、本当に勝つ準備ができているのか、という思いだけが募った1回目の合同テストだった。
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